残夏にぴったりな“ファウンド・フッテージ”映画とは?

「ファウンド・フッテージ」※1という言葉をご存知でしょうか?

わかりやすく言うとアレです、1999年に一世を風靡した“ブレア・ウィッチ・プロジェクト”です。
ウィキペディアの説明によると「撮影者が行方不明などになったため埋もれていた映像、という設定のフィクション作品」ということです。何年か前には「POV(ポイント・オブ・ビュー)」という言葉が使われていましたが、最近では「ファウンド・フッテージ」の名称が主流になっているようです。

比較的低予算で作れるうえ、フェイク・ドキュメンタリー※2やホラーとの相性が良いため、インディペンデント映画を中心に様々な作品が作られています。
近年、このような作品が世界中で同時多発的に登場し始めた背景には、性能の良いカメラが比較的安価に手に入り、誰もがメディアを発信できる現在の社会状況が関係しているのではないでしょうか?
携帯電話で気軽に動画が撮れる現代人のリアリティーが、ファウンド・フッテージ映画のリアリティーを裏から支えているように見えます。

という訳で、意外と数のあるファウンド・フッテージ映画の中から、個人的におすすめの作品をいつくか紹介したいと思います映画

●REC/レック
REC1
2007年にスペインで公開されたホラー(ゾンビ)映画。

消防士を密着取材するため、通報があった建物に同行して来たレポーター一行。しかし、そこで見たのは未知の感染症に侵され、凶暴化した人々の姿だった。感染拡大を防ぐために建物は封鎖され、彼らは感染者ごと隔離されてしまう。
「映像が見づらい」というPOV方式※3最大の弱点を有効に利用したホラー映画。ただし、見づらいといっても、撮影しているのはテレビ局から来たプロのカメラマンなので、他のファウンド・フッテージ作品と比べると比較的見やすい映像を提供してくれます。ハリウッド映画の「クローバーフィールド」と違い「素人の癖に撮影上手いな!」というツッコミを入れる必要もないので安心して鑑賞できます(笑)。
閉鎖空間で感染者が広がっていく様はかなりの恐怖感があり、夏の夜に一人で観るには大変おすすめの映画ですexclamation

さらに、2009年に公開された続編のREC/レック2 では閉鎖されたアパートに、頭にカメラを装着した特殊部隊が突入exclamation  感染者との激しいバトルを繰り広げ、前作とは方向性は違いますがかなり満足度の高い続編に仕上がっています。

<REC/レック2 劇場予告編>

●ダイアリー・オブ・ザ・デッド
ダイアリー
2007年にアメリカで公開された作品。

ピッツバーグで卒業制作の映画を撮影していた学生たちは、ラジオから死者が蘇り人間を襲っているというニュースを聞く。撮影を中断し、マイクロバスで家へ向かう途中横転して炎上する車に遭遇。そこで、黒こげの死体が歩く姿を目撃する。

ゾンビ映画の第一人者、ジョージ・A・ロメロが2005年に製作した大作ゾンビ映画『ランド・オブ・ザ・デッド』の興業がふるわずハリウッドに嫌気が差し、2007年にたった20日間で撮影した超低予算映画。この作品もカメラを回しているのは映画学科の生徒なので、比較的安定した映像が見られます。やっぱり撮影技術をある程度持っている人にカメラを預けたほうが安心できますね。
この人はかなりの社会派映画監督であり、彼の撮るゾンビ映画は常にその時代の社会状況を反映させた内容になっていることは有名な話です。彼がファウンド・フッテージ作品を作るのはもはや必然といえます。

この映画には一体どんなテーマが潜んでいるのか?
監督自身がインタビューで全部喋っているので実際に自分の目で確かめてみましょうexclamation

<予告編>

●トロール・ハンター
トロールハンター1
2010年にノルウェーで公開された作品。

熊の密猟事件をテーマにドキュメンタリーを制作していた3人の学生は、謎の男・ハンスと出会う。森に入る彼を尾行した3人は、偶然にもトロールの撮影に成功するが…。
この映画を見て「トロールは本当に存在したんだ!」と思う人はおそらくいないとは思いますが、よくもまあこんなバカバカしい映画を大まじめに作ってくれたもんだと驚きを禁じ得ません。

トロールの生態や習性、退治方法をハンスさんがカメラに向かって詳しく説明してくれるので、映画を見終わる頃にはちょっとした「トロール通」になっているはず。
さぁ、今日からキミもトロール博士だdouble exclamation

<予告編>

●クロニクル
クロニクル1
今まで作られたファウンド・フッテージはすべてこの作品が生まれるための伏線だったexclamation
この映画に説明は不要exclamation
今すぐに買うなり借りるなりして鑑賞しましょうexclamation

・・・別にここにきて文章を書くのが面倒くさくなったから勢いでごまかしている訳ではありません!(笑)。

<予告編>

以上、ファウンド・フッテージ映画をいくつか紹介しました。

明日8月23日は二十四節気ので処暑(しょしょ)。「朝の風の涼やかさや夜の虫の声に秋の気配を感じ始める頃」だそうですが、ここのところ東京もまだまだ暑い日が続いています。蒸し暑く眠れない夜にはぜひ、一人でファウンド・フッテージ映画鑑賞はいかがでしょうかexclamation and question

眠れなくなっても責任は負いませんので悪しからず。。。

※1 ファウンド・フッテージ(found footage) とは、発見された (found) 未編集の映像 (footage)の意。映画やテレビ番組のジャンルのひとつで撮影者が行方不明などになったため埋もれていた映像、というフィクション作品。その発見されたフィルムが撮影者と無関係な者の手に渡り、そのまま公開されることになったという設定。主にフェイク・ドキュメンタリーの表現手法が用いられ、ホラー映画が多い。

※2フェイク・ドキュメンタリーとは映画やテレビ番組のジャンルのひとつでドキュメント風フィクションのこと。フェイク(fake/いかさま・にせもの)+ドキュメンタリー(documentary/記録作品)。虚構の事件や出来事など、フィクションをドキュメンタリー風の表現手法で作り上げたもの。

※2 POV方式とは「Point Of View shot」の略で、日本では「視点ショット/撮影」「主観ショット/撮影」などと訳されます。カメラの視線と登場人物の視線を一致させるようなカメラワークでよりリアリティのある映像を作り上げることができるため、フェイク・ドキュメンタリー映画でこの方式が取られる。

(藤田)