映画で(気楽に)学ぶ中東問題

2015年2月21日、クリント・イーストウッド監督の新作「アメリカン・スナイパー」が公開されました。
イラク戦争に4度従軍したクリス・カイルの自伝をもとに作られたこの映画は、アメリカ本国でもヒットを飛ばし、興行収入は「プライベート・ライアン」の2億1650万ドルを抜き去り、アメリカで公開された戦争映画史上最高の興行収入を記録したそうです。

アメリカン・スナイパー

現在アメリカではこの映画を巡って様々な論争が起きています。
保守派の人々は「愛国的で戦争を支持する傑作」であると称賛し、リベラル派の人々は「戦争を美化している」と批判しています。

実際に映画を見た方ならわかると思いますが、この作品は万人に理解できる明確なメッセージを語ってくれません。
人は与えられた情報の中から、無意識に自分の価値観にあった情報のみを選択してしまいます。
そのため、見る人の政治的立場によって作品の受け取り方が大きく変わるのです。

9.11以降のアメリカでは中東を舞台とした映画がたくさん作られています。
たくさん作られ日本でも公開されてはいますが、「中東におけるアメリカの立ち位置がイマイチわからない」という人は意外と多いのではないでしょうか?
なにせ戦争しているアメリカ人自身、自分がなぜ戦っているのかがよく解っていないのです。

という訳で今回は「中東問題に興味はあるけど難しい勉強はしたくない」という人にオススメの映画を紹介します。

ビン・ラディンを探せ! ~スパーロックがテロ最前線に突撃!~
witw
製作年:2008年
製作国:アメリカ

監督は、1ヶ月間マクドナルドだけを食べ続けるという、凄いんだか凄くないんだかよく解らないドキュメンタリー映画「スーパーサイズ・ミー」でお馴染みの我らがモーガン・スパーロック。

映画の冒頭、妻の妊娠を知らされたスパーロックは生まれてくる子供のために部屋の片付けを始めます。
家の中にはコンセントやガラスなど、子供の安全を脅かす危険なものがいっぱいです。
しかし、彼はあることに気がついてしまいました。

「一番危険なのはテロリストだ!!」

かくして彼はビン・ラディンを捕まえるため、世界に平和をもたらすために、
身重の妻を一人アメリカに残し中東へと旅立っていくのです。

まあネタバレするまでもなくビン・ラディンを見つけることは出来ないのですが
旅を続けていく過程で彼は中東に住む「テロリスト」ではない「普通の人々」と出会って行くことになります。
そして、中東においてアメリカがいかに非道な振る舞いをしてきたのかを知り、自身の考えを改めることになるのです。
始めから解ってやっているのだと思いますが。

具体的に彼が何を学んだのかは映画を見ていただくとして、
旅の最後、彼は遂に一つの答えを見つけます。

「ビン・ラディンを捕まえてもテロは無くならない」

テロリストを生み出すのは貧困であり社会格差です。
これらが無くならない限りテロリストは無限に生まれ続けます。
そして事実ビン・ラディン暗殺に成功した現在でも、「イスラム国」という新たな脅威が誕生し混乱はさらに拡大しています。

語られているテーマは非常に真面目なものですがビン・ラディンとモーガン・スパーロックが格闘ゲームっぽく戦い始めたり、CGビン・ラディンが華麗なダンスを披露したりと、全体的にコメディータッチで作られているので最後まで楽しく鑑賞できます。

難しい本を読まなくても勉強はできます。
アメリカン・スナイパーを鑑賞し中東問題に興味をもった方は、まずはこの映画から始めてみるのはいかがでしょうか?

(藤田)


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