サントラのススメ (1)

映画やTVドラマにとって重要な役割を担う音楽。
映画を観終わったあとサントラを聴きたくなったり、曲を聴いただけで、その映画のワンシーンを思い出したり・・・なんてことはよくありますよね!

ここ最近では『アナと雪の女王』の「レット・イット・ゴー~ありのままで~」が映画とともに大ヒットし、メディアのみならず街中でもよく耳にすることがありましたので、本編は観ていなくともこの曲のファンという方は多いことでしょう。

今回は、映画本編を観ていなくても音楽だけでも充分に聴きごたえのあるお勧めのサウンドトラック盤を、私物のレコードの中から少しだけ紹介させて頂きます。(私の好みなので60年代〜70年代モノが中心です。)
まずは、以前に当ブログでジャック・ドゥミ監督の回顧展について書きましたが(2014年8月)、その時にも紹介しましたミシェル・ルグランの「ロシュフォールの恋人たち」です。
→「ジャック・ドゥミ監督の回顧展」はこちらからどうぞ!

Les Demoiselles de Rochefort
『Les Demoiselles de Rochefort ロシュフォールの恋人たち』(67年)/Michel Legrand
針を落とせば、そこはParis。エスプリの香り漂うお洒落な空間に早変わり!
ジャック・ドゥミ監督によるフレンチミュージカル映画。アカデミー賞&グラミー賞に幾度も輝いた巨匠ルグランの最高傑作。
このレコードが一番好き!というサントラマニアの方も多いのではないでしょうか。
名曲「Chanson Des Jumelles (双子姉妹の歌)」、TVCMにも使われた「Arrivee des Camionneurs (キャラバンの到着)」、哀愁ボサノヴァ「Marins, Amis, Amants Ou Maris」等々、本当に全編最高の名盤。
左が70’s 2ndプレスのFra盤、右がアメリカオリジナルデザインのUS盤。

UN HOMME ET UNE FEMME
『UN HOMME ET UNE FEMME 男と女』(66年)/FRANCIS LAI
クロード・ルルーシュ監督の出世作「男と女」。フランシス・レイによる言わずと知れた名サントラ。
男女ユニゾンによるスキャット、ダバダバダ ダバダバダ~であまりにも有名なテーマ曲「Un Homme Et Une Femme」は知らない人はいないでしょう。
今知ってビックリしましたが、この曲の男性Voもピエール・バルーだったんですね!
サラヴァ・レーベルの創設者でフレンチ・ボッサの巨匠であるピエール・バルーは本編にも出演し、
ヴィニシウス・ヂ・モラエスの代表作「Samba da Benção 祝福のサンバ」をフランス語に翻訳した「Samba Saravah」を披露。
曲の中でブラジルの偉大な アーティストの名前を挙げ、”Saravah ! ”と捧げています。←「Saravah」とは「祝福あれ」という意味。
本家よりお洒落感UPでボサノヴァの中でもお気に入り上位の曲。ジャケットもお洒落です!!

Samba Saravah

 

Candy
『Candy』(68年)/Various Artists
テリー・サザーンによるエロティック・カルト映画『キャンディ』。
リンゴスターが出演していますが映画は全く面白くなかった記憶があります。
ナイスすぎるジャケットで、おもわずジャケ買いした1枚。映画本編はともかく、サントラは高い評価を受けています。
こんなにキュートなジャケですが、中身はファズギターやシタール、電子音を多用した1968年らしいフラワーロックな作品。
ステッペン・ウルフやザ・バーズなどこの時代のビッグネームが参加してます。私のお気に入りはデイヴ・グルーシンの「It’s Always Because of This a Deformity」「Ascension To Virginity」。

Strip Tease
『Strip Tease』(63年)/Serge Gainsbourg & Alain Goraguer
日本未公開のフランス映画『STRIP-TEASE』のレアな4曲入り7inchのリイシュー盤。
のちにヴェルヴェット・アンダーグラウンドでVoをつとめる事となるニコ主演の映画です。
ラテンテイストの主題歌『STRIP-TEASE』はセルジュ・ゲンズブールとアラン・ゴラゲールによるもので、歌われたのはジュリエット・グレコ。
B-1「Wake me at Five」は秀逸。かっこいいです。しかしなんといってもジャケットのニコにやられます。

ASCENSEUR POUR L'ECHAFAUD
『ASCENSEUR POUR L’ECHAFAUD 死刑台のエレベーター』(57年)/MILES DAVIS
シネ・ジャズと聞いてまず最初に思い浮かぶのが、このマイルス・デイヴィスの「死刑台のエレベーター」ではないでしょうか。
ルイ・マル監督の出世作であり、オリジナル・クインテットを解散した直後のマイルス・デイヴィスが音楽を担当。出来上がった映像を見ながら即興でトランペットを吹き込むレコーディング方法が採用されたため、マイルス・デイヴィスの奏でるミュート・トランペットは映画の緊張感を盛り上げています。
シネ・ジャズを代表する名盤です!!

「死刑台のエレベーター」レコーディングセッション

 

BARBARELLA
『BARBARELLA』(67年)/BOB CREWE & CHARLES FOX
ジェーン・フォンダ主演の、おバカでスタイリッシュなエロティックSF映画の傑作『バーバレラ』のサントラ盤。
ワンダーミンツがカヴァーしたことでも知られている人気のタイトル曲「BARBARELLA」、サイケでファンキーな「THE BLACK QUEEN’S BEARS」など、モンドでキッチュ、おしゃれでスペーシーな一枚。
コミカルでモンドなラウンジ・ナンバーから、美しいイージーリスニングまで22曲も収録。
ラウンジ系やソフト・ロックが好きな人にオススメ。ジャケも最高にかっこいいです!

また忘れてならないのが、バーバレラが無重力空間で次々と宇宙服を脱ぎ捨てていく本編のオープニングタイトルは、エロくてチャーミングでホントにクール!!
これにはやられました・・・バーバレラの魅力が集約されたお洒落なオープニング映像になっています。

BARBARELLA オープニングタイトル

 

SETTE UOMINI D'ORO
『SETTE UOMINI D’ORO 黄金の7人』(65年)/Armando Trovajoli
お洒落映画といったらこれでしょう! イタリアの人気泥棒映画「黄金の七人」シリーズの第1作目の作品。
90年代、モンドミュージックブームの火付け役となったアルマンド・トロヴァヨーリの傑作。
フリッパーズギターの「恋とマシンガン」の元ネタとしても知られるダバダバスキャットの「Seven golden men」は不滅の大名曲。
ハモンドオルガンがかっこいい「Please Be Nice」、口笛とトランペットで奏でる「Rossana」など名曲揃いです。

Seven golden men

 

HAMMERSMITH IS OUT
『HAMMERSMITH IS OUT』(72年)/DOMINIC FRONTIERE
ドミニク・フロンティアが音楽担当した日本未公開映画。
ドミニク・フロンティアの名作「栄光のライダー ON ANY SUNDAY」の近年の作品ということで、こちらもめちゃくちゃグルーヴィーな作品となっております。
“ON ANY SUNDAY”級にかっ飛ばす「SNAKE DANCE」はスピード感溢れるインストナンバー。
ウィルソン・ピケットもびっくり!? ”ダンス天国”ばりの”ナ~ナナナナ~”のコーラスがお洒落な「HAMMERSMITH IS OUT」などなど、ファンキーな楽曲のテンコ盛り!

UP THE JUNCTION
『UP THE JUNCTION』(68年)/MANFRED MANN
モッズ君なら知らない人はいないであろう映画「UP THE JUNCTION」のサントラ。これはヤバイ!!
ブリティッシュ・ビート・バンド ”マンフレッド・マン” による60’Sスウィンギン・ロンドンの カッコ良さがぎっしり詰まったモッズご用達の一枚。
バンドの作品というよりは、マンとマイク・ハグの二人が中心となり制作されたものでクレジットには”MANFRED MANN GROUP”となっています。
ソフト・ロック好きにはたまらないサイケな雰囲気の「Up the Junction(Vocal Version)」や「Sing Songs of Love」「Walking Round」「Just for Me」。
個人的にはモッド・ジャズ・チューン「Shelia’s Dance」「Belgravia」「I Need Your Love」あたりがオススメ!
スウィンギン・ロンドンなジャケもGood!

kizudarakenotensi
『傷だらけの天使』(74年)/井上堯之バンド
テレビドラマ「傷だらけの天使」のサントラ盤。
ドラマ「太陽にほえろ!」や映画「太陽を盗んだ男」など70年代のドラマや映画で有名な井上堯之バンドが手がけた作品。
井上堯之バンドの中で一番好きな曲です!
何といっても、このドラマのOPが印象的すぎます。ただ朝食を摂るだけのショーケン。
ネオ・ハードボイルドな感じがカッコ良かったですね!
むかしクラブで、冷牟田氏(元 東京スカパラ)が、洋楽の合間にこの曲を回したとき、その選曲のお洒落さにシビレたなぁ~。
また、こちらもDJに人気の和製レア・グルーヴ「「天使の憂鬱」など全4曲収録。

SLALOM
『SLALOM』(65年)/ENNIO MORRICONE
イタリア映画音楽界の巨匠、エンニオ・モリコーネによる日本未公開のイタリアン・スパイ・ムービー「スラローム」のサントラ盤。
サーフ系、アラビアン・ラウンジ系、モンド系など6曲収録。
口笛と男女の混声コーラスによるタイトル曲「Slalom (Original Single Edit)」は、日本テレビ「月曜から夜ふかし」のテーマ曲に使用されているようなので聴いた事がある方もいるのではないでしょうか。

Slalom

 

BLOW-UP
『BLOW-UP 欲望』(65年)/HERBIE HANCOCK
スウィンギン・ロンドンが詰まったミケランジェロ・アントニオーニの名作映画「欲望」。
モッズDJご用達のサントラです。
ジャズ・ピアニスト、ハービー・ハンコックによるスリリングなモッド・ジャズは無条件で格好いいです。
DEEE-LITEの最大のヒット曲「GROOVE IS IN THE HEART」の元ネタ「BRING DOWN THE BIRDS」が収録されていることでも有名ですね。
ヤードバーズによる ブリティッシュビート「Stroll On (Train Kept A Rollin’の替え歌)」もかっこイイ!
また、本編のライブ会場のシーンではヤードバーズが「Stroll On」を演奏。ジミー・ペイジとジェフ・ベックが、ツイン・リードとして同時期に参加していた時代の貴重な映像が観られます。
ジェフ・ベックがギターを破壊するシーンはなんかダサくて笑えます・・・

ライブ会場のシーン/ヤードバーズ Stroll On

・・・・・今回は、以上です!

何か気になるサウンドトラック盤はありましたでしょうか?
まだまだ紹介したいサントラ盤は沢山ありますので、またの機会に紹介したいと思います。

(杉澤)