サントラのススメ(2)

梅雨が明けて、暑さも厳しくなってきました。
毎年この季節になると、四代目氷屋徳次郎のかき氷が恋しくなります。
我が家では、此処のかき氷を食べないと夏は終われません。毎年、都内百貨店でひっそりと期間限定で出店しているお店に伺っていますが、ここ数年は行列になっています。昨年から新たなシロップが加わり充実した内容になったのは良いのですが、私のお気に入りのマンゴーシロップがメニューから消えてしまったのはツラい・・・ぜひ復活を願いたい!
日本にたった五軒しか残っていない天然氷屋のひとつ「日光天然氷 四代目氷屋徳次郎」。
貴重な天然氷でしか感じれない口に入れたときのふわっとした不思議な食感。
いくら食べても頭がキーンとなりません!
この季節、日本各地で限定発売されていますので興味がある方は調べてみてください。

暑い話からかき氷の話へと本題から外れてしまいました。申し訳ございません。
しかし、休日であってもこれだけ暑いと外に出るのも嫌になりますね。
そんな暑い休日は、サントラを聴きながら家でのんびり過ごすのはいかがでしょうか?
・・・ということで少々強引ではありますが、今回はサントラのススメ(2)です。
サントラのススメ(1)で紹介しきれなかった映画本編を観ていなくても音楽だけでも充分に聴きごたえのあるお勧めのサウンドトラック盤を、私物のレコードの中から紹介させて頂きます。
(私の好みなので60年代モノが中心です。)

それでは1枚目・・・

ZABRISKIE POINT
『ZABRISKIE POINT 砂丘』(70年)/Various Artists (Pink Floyd)
学生運動やヒッピー・ムーヴメントが盛んだったアメリカを舞台にイタリア人の巨匠、ミケランジェロ・アントニオーニ撮り上げた異色作。
まさにアメリカのカウンター・カルチャーの終焉を迎えるとともに公開された名作。
むかしリバイバル上映で映画館で鑑賞。アントニオーニによるヨーロッパ特有の難解でデカダンな作品になっております。
サントラはピンク・フロイド、グレイトフル・デッドという60年代の英米ロックを代表するバンドとともに、 パティ・ペイジの「Tennessee Waltz」も収録。
本編ラストの爆破シーンに強烈なインパクトを与える「COME IN NUMBER51, YOUR TIME IS UP(51号の幻想)」は秀逸。
スローモーションの映像とともに、絶叫と炸裂するギターが絶望と破滅の美学を感じさせます。
この曲の為にピンク・フロイド ファンが、大枚を叩く気持ちも分る重要作!

Final Scene/COME IN NUMBER51, YOUR TIME IS UP

 


ANNA
『ANNA』(66年)/Serge Gainsbourg
フランス国営放送初のカラー番組で、ヌーヴェル・ヴァーグ時代の代表的な女優のひとりアンナ・カリーナよるフレンチ・ミュージカル・コメディ「ANNA」。
田舎っぽさを演出したアンナ・カリーナのダサ可愛いファッションが逆にお洒落!!
ゴダール映画における彼女のファッションもそうですが、こちらの作品もファッションが重要なポイントとなっています。
サントラもセルジュ・ゲンスブールによるお洒落指数全開の甘酸っぱくロマンチックな60’Sフレンチ・サントラの名盤です。こちらは4曲入りのEP盤。
アンナ・カリーナが歌う、イエイエ好きにはお馴染みの名曲「Sous Le Soleil Exactement(太陽の真下で)」、グルーヴィーなサイケ・ガレージ・ナンバー「Roller Girl」収録。

Anna Karina/Sous Le Soleil Exactement

 


GIRL ON A MOTORCYCLE
『GIRL ON A MOTORCYCLE あの胸にもういちど』(68年)/LES REED
マリアンヌ・フェイスフルとアラン・ドロンが共演のカルト映画。
マリアンヌ・フェイスフル演じるレベッカは、峰不二子のモデルとなったとも言われています。
オーケストラをバックに構成。グルーヴィーなハモンド・オルガンが全編で炸裂!
ラウンジ好きにもオススメです。
オートバイのエンジン音から始まるタイトル曲「GIRL ON A MOTORCYCLE」は秀逸!
この曲だけでも買いです。

Les Reed/Girl On A Motorcycle

 


YOUNGBLOOD
『YOUNGBLOOD』(78年)/WAR
映画『Youngblood』のサントラとして制作されたミクスチャー・ファンク・バンドWARの作品で、70年代のブラックスプロイテーション映画を代表する人気の高い1枚。
ブランド・ヌビアンの「Feel So Good」で使用されたサンプリング・ソースとしてヒップホップ・リスナーにもお馴染みの「Sing A Happy Song」、アフロ・ディスコ・ファンクの傑作「Keep On Doin’」、疾走するビート、フルートやピアノが効果的なインスト・ラテン・グルーヴ「Flying Machine (The Chase)」などなど、ハイクオリティーな1枚。

Flying Machine (The Chase)

Sing A Happy Song

 


Lady In Cement
『Lady in Cement セメントの女』(68年)/Hugo Montenegro
あの「Moog Power」を作ったムーグの巨匠ウーゴ・モンテネグロが手掛けた、68年の映画『セメントの女』のサントラ。
ソフトロック・ファンも魅了してきた「パパパ」系スキャットの人気テーマ曲「Lady in Cemet」や、ファズギターに GROOVYなオルガンが鳴り響く疾走感溢れる 「Jilly’s Joint」、スリリングなオルガンとスキャットのサイケ・ポップ「Tony’s Theme」などがオススメ!
ラウンジ~ソフトロック~サイケ好きまでイケる人気のサントラです。

Hugo Montenegro/Lady In Cement

 


QUADROPHENIA
『QUADROPHENIA さらば青春の光』(79年)/THE WHO
ネオモッズのバイブル的映画。モッズくんだけじゃない!ロックファンなら誰もが観たであろう、モッズとロッカーズの闘争をメインに60年代のロンドンで苦悩する若者たちを見事に描いた青春映画『さらば青春の光』のサウンドトラック盤。
学生時代に繰り返しビデオで観た映画です。今でも「I’ve Had Enough」を聴くとブライトンの崖から落ちてゆく「LAMBRETTA(ランブレッタ)」が目に浮かびます・・・  
当時は、どっぷり”スカ”にハマっていた時期でしたので、ルードボーイやスキンズのスタイルだった私にはファッション面でも参考になった映画です。(スカを好んで聴いていたスキンズは元々はモッズから派生したカルチャーなので、ファッションアイテムが似てる部分があるんです!)

サントラは、映画の元となったザ・フー1973年の傑作アルバム『QUADROPHENIA(四重人格)』をリアレンジしジョン・エントウィッスルがリミックスして収録。アルバムから漏れていたアウトテイクも収録。ここで収録されているフーの曲は当時のモッズ・サウンドとは言えません・・・が映像と音楽の一体感が見事で素晴らしい作品です!。更には映画に使用されていた60年代のヒット曲も収録。
ロネッツの「Be My Baby」、カスケーズの「悲しき雨音」、クリスタルズの「Da Doo Ron Ron」、ブッカー・T&MG’sの「Green Onions」など絶妙な選曲です。

まだ映画を観ていないという方!この映画を観るとモッズかぶれになる危険性がありますのでご注意を!!
ハマってしまった方は・・・格好から入るのも悪くないです。まずは「洋服の並木」でオーダースーツをつくりましょう! モッズスーツはサイドベンツの三つボタンが基本ですよ!

さらば青春の光 ラストシーン/I’ve Had Enough

 


VAMPIROS LESBOS
『VAMPIROS LESBOS : Sexadelic Dance Party』(71年)/Manfred Hubler・Siegfried Schwab
鬼才ジェス・フランコ監督のなエロティック・カルト映画3作品「Vampyros Lesbos ヴァンピロス・レスボス」、「She Kills in Ecstasy シー・キルド・イン・エクスタシー」、「The Devil Came from Akasava 恍惚の悪魔 アカサヴァ」のサウンドトラックをまとめた編集盤。
95年にドイツの Crippled Dick Hot Wax! からリリースされてカルト的人気を博し、エロティックサントラブームに火を付けたアルバムです。ヒップなビートにシタールやコーラスが効果的なレアグルーヴ満載のモンド系サントラの傑作。
タランティーノ監督もお気に入りの「Lions and the cucumber」は自身の映画 「ジャッキー・ブラウン」でも使用したほど!サイケ・グルーヴ全開のオススメサントラ。

Lions and the cucumber

 


CHERRY& HARRY & RAQUEL
『CHERRY…& HARRY & RAQUEL』(69年)/Bill Loose
カルト・ポルノ巨匠ラス・メイヤーの1969年映画「CHERRY… & HARRY & RAQUEL」の人気のサントラ盤。
音楽はBILL LOOSE(ビル・ルーズ)が担当。ジャズ、ガレージ・ロック、モンドでかっこいいインストが多数収録。私のおすすめは「Raquel Theme」、「Theme For Julie」、「Go Apache」。
ラウンジファンおすすめの1枚。ジャケットもサイコー!!
 


ARCHICORDES
『ARCHI-CORDES』(64年)/Michel Legrand
こちらは映画のサントラではないのですが、「シェルブールの雨傘」や「ロシュフォールの恋人たち」など映画音楽界で名高いミシェル・ルグランのアルバムということで紹介させて頂きます。
クラブでも人気でしたが、資生堂UNOのCMで使用され、今やお茶の間でもお馴染みとなった「DI-GUE-DING-DING」や、同タイプの人気曲「COME RAY AND COME CHARLES」等、軽妙洒脱なスキャットの数々。妹のクリスチャンヌ・ルグランが数曲参加しており、スリリングなスキャットソング「HI GIRLS」収録の人気アルバムです。

DI-GUE-DING-DING/CM 資生堂UNO FOG BAR

 


BETTY BLUE
『BETTY BLUE ベティ・ブルー 愛と激情の日々』(86年)/GABRIEL YARED
レバノン出身、フランスの作曲家ガブリエル・ヤレド の名を一躍有名にしたジャン・ジャック・ベネックス監督の繊細で美しく刹那的な恋愛物語「ベティー・ブルー」のサントラ盤。
映画と共に未だ衰えることのない人気のサントラです!!
何と言っても、主人公ベティとゾルグの二人でピアノを弾くシーンで流れる、主題曲「C’EST LE VENT,BETTY」は、ピアノとハーモニカの旋律が美しすぎる文句なしの名曲!! たしかオープニング曲として使わていた「MAUDITS MANEGES」もストリート・オルガンを使用したメリーゴーランド風なインパクトのある曲でオススメです。
他にも哀愁漂うエキゾティックなボッサ・ナンバー「Chile Con Carne」やジャズ&ジャイヴ・ファンにもお薦めのナンバー「LISA ROCK」など素晴らしい内容です。

「C’EST LE VENT,BETTY」

 
・・・では、今回はこの辺で。
紹介したい素晴らしいサントラ盤はまだまだありますので、またの機会に紹介したいと思います。

(杉澤)