8億円分のPUNKコレクションを燃やしちゃう?!

6月にEU離脱という世界に大きな衝撃を与えたイギリス。
エリザベス女王が90歳の誕生日を迎えられた今年は、パンク誕生40周年ということでもあり、ロンドンでは年間イベント『PUNK.LONDON』が開催されているそうです。

パンクの仕掛人(故)マルコム・マクラーレンとヴィヴィアン・ウェストウッドとの息子であるジョセフ・コーが、政府が支援する年間イベント『PUNK.LONDON』への抗議として、自身が所持する500万ポンド(約8億円)相当の価値を持つ全てのコレクションを、セックス・ピストルズのデビューシングル『アナーキー・イ ン・ザ・U.K.』のリリースから40周年を記念した11月26日にロンドンのカムデンで燃やすことを計画しているとの事!

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「神よ、女王を救わんことを。あの女は人間じゃない!(曲:God Save the Queen)」と歌ったセックス・ピストルズですが、『PUNK.LONDON』は女王が支持しているもので、イベントの開催を公式に祝福しているのです。
提携パートナーには、英国映会、英国ファッション協議会、ライブ・ネイション、ユニバーサル・ミュージック、ロンドン博物館、大英図書館が名を連ねています。さらに宝くじの助成金9万9000ポンド(約14万ドル)と前ロンドン市長からの支援を受けているということです。

ジョセフ・コーは、企業や政府が『PUNK.LONDON』におけるコンサートや映画上映、講演会、展示会のスポンサーになることを特に不快に思っているそうです。

彼は計画へのプレス・リリースで次のように述べています。
「女王が2016年をパンクの年だとし、公式に祝福しているというのは、これまで聞いた中でも最もおぞましいことです。オルタナティヴ・カルチャーやパンク・カルチャーの議論はメインストリームに占領されてしまっています。パンクは変化のためのムーヴメントではなく、博物館のクソ展示品や、賛辞される対象に成り果ててしまった・・・」

たしかに当時のパンクスは一般大衆の一番の嫌われ者。
反商業主義・反体制的なムーブメントだったはずなのに、体制側が用意したパンク・アイデアなんてホントに不自然ですね!

カムデンで燃やされることになるコレクションの中には、セディショナリーズ(マルコムとヴィヴィアンによるブティック)の衣類はもちろん、キングスロード430番地[※1]のブティック「SEX」のドアノブや、“Anarchy in The UK”のアセテート盤[※2]など、かなり貴重なセックス・ピストルズにまつわるものがあると思われます。

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青春時代、ヴィヴィアンやピストルズに狂った私にとっては生ツバもののお宝だらけであろう・・・
(90年、ハタチ前後の私はキングスロード430番地[※1]にあるヴィヴィアン・ウエストウッドのショップ「ワールズ・エンド」を訪れている。それほど心酔していたのです。)

ワールズ・エンド 高速逆回転時計が有名!

彼の抗議の気持ちは理解できるけど、何も燃やさなくても・・・・
もったいないなぁ・・・

ちなみに、母親のヴィヴィアン・ウエストウッドは「燃やす」意思を良いアイデアと支持している模様。
セックス・ピストルズのフロントマンだったジョン・ライドンは「チャリティーに寄付すべきだ」と批判しています。

みなさんはどう思います?


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[※1]
キングスロード430番地はロンドンパンクの聖地である。
71年にマルコムとヴィヴィアンがブティック「レット・イット・ロック」をオープン。
72年に「Too Fast to Live, Too Young to Die」、74年には「SEX」に店名を変更。
75年にマルコムのプロデュースにより「SEX」の従業員や常連客で結成したのが『セックス・ピストルズ』。
76年に店名を「セディショナリーズ」に変更! そして『セックス・ピストルズ』デビュー!ロンドンパンクムーブメントの始まりです!
80年にはブティックを「ワールズ・エンド」に変更・・・今も同じ場所で営業しています。

[※2]
アセテート盤とは、アナログレコードを量産化する前段階のレコードで、サンプル盤や音の調整用に作られたもの。高音質で録音出来るが寿命が限られていて、再生回数50回ほどまでしか良好な音質を保つことができない。


(杉澤)