更新日: ゲームPV・紹介動画を制作するには?事例やポイントを紹介
ゲームの魅力を端的にユーザーに伝え、ゲームへの興味を引き出すことのできる「ゲームのプロモーションビデオ(PV)」は、ゲームソフトのPRや宣伝販促において非常に重要な役割を担います。この記事では、ゲームPVの動画制作を依頼するにあたり、押さえておきたいポイントや制作の流れについて、事例を交えて解説します
1.ゲームPV制作の目的と重要性
新作ゲームの発表時や発売日の告知、ゲーム内でのイベントやキャンペーンといった際にも映像でプロモーションを行うことは有効的な手段です。ゲームプロモーションにおける動画の基礎知識や効果について解説していきます。
ゲームPVとは何か?
そもそもPVとは、「プロモーションビデオ」の略称で、商品やサービスの宣伝や販売促進のために制作される動画です。そしてゲームPVは、ゲームの魅力や特徴を視覚的に伝え、販売促進に繋げるためのプロモーション動画になります。新作ゲームの発表時や、ユーザーに向けてゲームの内容や楽しさを伝えたい際に活用され、ゲームの世界観や物語、プレイ要素を短時間で効果的に表現することが求められます。ゲームPVは、プレイヤーにゲームをプレイしたいという興味を喚起する重要な役割を担っており、印象に残る映像体験を提供することが目的です。
プロモーションとしての効果
ゲームPVは、プロモーションの視点からも非常に効果的な手段です。SNSや動画プラットフォームで公開されることで、ゲームの魅力が多くの人に拡散され、新規プレイヤー層にリーチする機会が増えます。特に動画コンテンツは視覚的に訴求力が強く、短時間でゲームの世界観や特徴を伝えることができるため、ユーザーの関心を引きやすい特徴があります。また、PVの内容によってはSNS上での共有や話題性を生むこともでき、広告効果がさらに高まります。興味を惹きつけるPVを制作することで、ゲームの知名度を上げるだけでなく、ユーザーがゲームに対する期待感を膨らませることができ、プレイ意欲を高める大きな効果が期待されます。
ゲームPVによくある手法はこの2つ
ゲームのPVは、その目的やスタイルに応じて多種多様なバリエーションが存在します。大まかに特徴的な例として、以下のような「視聴者にゲームの魅力を直感的に訴求する手法」「具体的な情報を丁寧に提供する手法」の2つのスタイルがよく見られます。
▶︎視覚的なインパクトを重視したPV
このスタイルを用いたPVは、音楽に合わせたテンポの良い映像編集を活用し、ゲームの雰囲気やビジュアルの魅力を直感的に伝えることを目指しています。ストーリーやキャラクターの詳細な説明は最小限に抑えられ、ゲームの要素が断片的かつ印象的に伝えられることで、視聴者に期待感や没入感が生まれやすくなるでしょう。映画の予告編に近い演出が多く、視覚的インパクトで視聴者の興味を引きつけるのが特徴です。
▶︎ゲームの内容を詳しく伝えるPV
このスタイルでは、ゲームのストーリー、キャラクター、システムといった具体的な内容を詳細に紹介します。ナレーションや字幕を効果的に用い、ゲームの全体像を順序立てて分かりやすく説明する構成が特徴的です。視聴者にゲームの深い理解を促し、プレイ意欲を高めることを目的としています。
また、これらに加えて「ティーザートレーラー」や「ローンチトレーラー」など、公開するタイミングやプロモーション戦略上の位置づけに基づく分類も存在します。ティーザーはゲームの発表初期に期待感を煽るための短い映像であり、ローンチトレーラーは発売直前にゲームの魅力を総合的に伝える映像として活用されることが多いです。
2.ゲームPVの制作工程
全体的な流れは通常の映像制作と大きく変わりませんが、制作過程にゲームPVならではの構成や素材収録といった要素があります。ここでは1つ1つの工程を追って解説していきます。
企画
まず、ゲームPV制作の最初のステップは「企画」です。ゲームのターゲット層やプロモーションの目的を明確にし、それに基づいて動画のコンセプトや方向性を決めます。この段階で目指すべき効果やメッセージを共有し、関係者間でイメージをすり合わせておくことが、成功するゲームPVの鍵となります。またPVに使うことのできるゲーム内の素材も確認できていると、構成や撮影・素材収録の参考になったり、全体的な予算を左右する要素にもなるでしょう。企画やコンセプトについては、ゲームPVの制作を制作会社などに依頼する前に、自社内で固めておくと、その後スムーズに進行します。
構成・コンテ作成
次に行うのが「構成・コンテ作成」です。ここからは、制作会社と相談しながら進めていくケースが多くなるでしょう。ゲームの見せ場や特徴をどのように映像化したいか、動画の尺設定などが明確にある場合は、しっかりと制作会社に伝えておくことが大切です。また先述のゲームPVの手法(視覚的なインパクトを重視したスタイルか、ゲームの内容を詳しく伝えるスタイルかといった違い)でも構成は大きく変わってくるため、はっきりとイメージを伝えておきましょう。
それを受けて制作会社は、PVの流れをシーンごとのコマ割りや演出効果を考え、視覚的に訴求力のある動画に仕上げるためのプランをコンテという形にします。この段階で、撮影や編集に必要な素材や内容が固まっていきます。演出内容だけでなくシーンごとの尺感やテロップのタイミングなどもおおまかに設定し、ビデオコンテ(Vコン)に落とし込む場合もあります。Vコンを作ることでより仕上がりがイメージしやすくなります。構成内容や制作会社の進め方によっても大きく異なるため、Vコンを作ってほしい場合も事前に要望を出しておきましょう。
撮影・素材収録
コンテが固まったら、いよいよ「撮影・素材収録」に進みます。コンテをもとに、PVで使用するゲーム映像をキャプチャしていく場合、ゲームPVの演出(動画制作会社)が収録に立ち会うこともあります。絶対的な必要シーンが決まっていない場合などは、広報や宣伝担当とゲーム開発担当のみで収録を行い、制作会社に収録素材を渡すこともあります。
キャプチャの方法は構成やゲームの開発段階により異なりますが、大きく分けて以下の2種類に分類できます。
通しでプレイしている様子をキャプチャして、不要な部分をカット:クリアまでの時間が短いゲームに最適 |
リストを作成し、それをもとに必要なシーンを個別にキャプチャ:クリアまでに時間がかかるゲームに最適 |
キャプチャ収録時の重要ポイントは以下の2つです。
①収録時の音の設定はBGMをオフに、SEのみをオンにするようにすること
これにより、BGMを後入れできるようになります。
②フレームレートは動画を出力する時と同じフレームレートに設定すること
制作会社が立ち会わず、収録を行う場合は、事前に確認しておきましょう。
また、PVに使用する素材は、演出に応じてゲーム映像だけとは限りません。たとえば、タレントを主人公に見立てたイメージ撮影や、著名人を起用したプレイ動画、出演している声優のコメント映像など様々です。どのようなゲームPVが作りたいか、また予算やスケジュールに応じた様々なアイデアのもと、魅力的でユーザーの印象に残るゲームPVを作ることができます。
さらに、映像素材だけでなくBGMやSE、ナレーションといった音声の要素も重要なパートになります。有名ナレーターを起用したり、俳優に声の出演を依頼する、といったことも考えられます。希望がある場合は、依頼段階で制作会社に伝えておく必要があります。ナレーションの収録は、映像パートが完成後の仕上げに、MAスタジオ等で行う場合が多いです。完成前までは、仮のナレーション(制作会社のディレクターなど)にて進行します。
動画編集
ゲームPVの構成が固まり、使用する素材が揃ったら「動画編集」に取りかかります。映像素材をコンテをもとにカットして繋ぎ合わせます。そこにテロップ、エフェクト処理などを追加しながら、PVとしての完成度を高めていきます。場面のテンポ感やシーンの切り替えが、ユーザーの興味を引くかどうかに影響を与えるため、編集技術は非常に重要です。ゲームPVを得意としている制作会社は、様々なパターンや興味を引く編集の手法も多く持ち合わせていますので、ある程度の実績がある制作会社へ依頼することも重要となります。音楽や効果音も編集時点で付け足す場合も多いですが、この後のMA作業で一貫して行う場合もあります。
MA・NA収録
「MA(マルチオーディオ)」は、音の調整や収録を行い、映像の臨場感を高める工程です。ゲームPVでは、音響が視覚効果と同じくらい大切です。BGMや効果音を的確に配置し、映像に合った音質やバランスに仕上げることで、視聴者の映像への没入感を上げ、ゲームの雰囲気やプレイ感を伝えることができます。
ナレーションもここで収録し、映像の尺、演出に合わせた表現にすることで、さらにPVのクオリティを高めることができます。
最終チェック・公開
最後に「最終チェック・公開」を行います。完成したPVを何度も見返し、映像や音声、テキストのミスがないかを確認します。必要なコピーライトのテロップや、ゲーム画面が開発中の場合は、注釈を入れるなど、漏れがないかも確認します。しっかりとチェックを行うことで、より良い結果を得ることができるでしょう。
3.ゲームPVの制作事例
ここではキックファクトリー制作のゲームPVを事例に、構成の違いやそれによってどのような印象や効果があるのか、具体的に見ていきましょう。
505 Games様 「百英雄伝」紹介トレーラー
ナレーションに合わせ、ゲームの世界観・キャラ紹介・システムといった順で詳細な解説を行なっているPVです。キャプチャー映像以外にも、キャラクターのイラストや見やすいテロップで視聴者の理解が深まる構成になっています。
株式会社ディースリー・パブリッシャー様 「地球防衛軍6」1stトレーラー
このPVはBGMに合わせた編集で、テンポの良いシーン転換とプレイヤーに近い視点や外面の揺れなど、臨場感のある映像となっています。ナレーションは無いですが、映像と音を最大限に活用することで、ゲームの世界観や魅力を直感的に視聴者に伝えています。
株式会社バンダイナムコエンターテインメント様 「TEKKEN7」Season4 紹介PV
こちらはDLC(ダウンロードコンテンツ)の紹介PVになります。既存のゲームに新しく更新されるキャラクター、エリア、設定などの要素を具体的なプレイ動画と合わせてわかりやすく伝えます。すでにゲームを購入している視聴者も新規の視聴者のどちらもワクワクするような、期待感を膨らませる構成が重要になります。
吉本興業株式会社様 「パズドラプロリーグ2022」開催告知映像
ゲーム自体だけではなく、ゲーム大会の告知PVもプロモーションに有効です。動画では人気芸人のチョコレートプラネットさんを起用し、話題性を高めた動画にしています。近年ではゲームのプレイはしていないけれど実況動画などは視聴している、という潜在顧客も増加しているため、映像で大会のプロモーションを行うことで潜在ファン獲得の可能性も大きいでしょう。
4.魅力あるゲームPVにするためには?
質の良いゲームPVを制作、そして効果的にプロモーションをするためにはいくつかのポイントを押さえることが大切です。ただ映像を作るだけではなく、その後のプロモーション展開や固定ファンの獲得にも重要な要素になりますので、視聴者が楽しみにしてくれるような魅力的なゲームPVを目指しましょう。
ターゲットやテーマに合った構成に
ゲームPV制作の成功の鍵は、ターゲットやテーマに合った構成です。プレイヤー層やゲームのジャンルに合わせて、どの要素を強調するかを決めると、視聴者の関心を引きやすくなります。たとえばアクションゲームでは魅力的なデザインのキャラクターや迫力ある戦闘シーンを重点的に紹介したり、ストーリー重視のゲームでは物語の要素を中心に据えたり、ミステリアスな構成で先が気になるPVにするなど、適切な構成が重要です。
興味を引くキャッチコピーや大胆なモーション
キャッチコピーはユーザーの目に留まるかどうかを左右する重要な要素です。大胆で心に残るキャッチコピーと、ダイナミックなモーションや効果を組み合わせることで、視覚的なインパクトを強めることができます。編集でスピード感を演出したり、特徴的なシーンを挿入するなど、ユーザーの視線を引きつける工夫をしましょう。
また、ゲームPVにおけるBGMやナレーションといった「音」の要素も非常に重要です。実際にゲーム内で使用されているテーマソングを使用することで、よりゲームの世界観に引き込むPVにしたり、印象的なキャッチコピーをナレーションで伝えることでも視聴者のプレイ意欲を掻き立てる演出にすることができるでしょう。
複数タイプのPVを制作
一種類のPVではすべての魅力を伝えきれない場合や、動画の尺が長くなりすぎてしまう場合もあります。またティーザー映像の場合は定期的な情報更新と提供が必要です。短尺でも複数の映像を制作し、少しずつ情報を明らかにすることで視聴者の期待感を煽る効果的なプロモーションにすることができます。
またPVでもターゲットやシーンごとに異なるバージョンを作成することで、さまざまなユーザー層にアピールできます。たとえば、ストーリーを強調したバージョンと、ゲームプレイを重視したバージョンを作ると、幅広い視点でゲームの魅力を届けられます。
さらにゲームの発売後でもDLCの追加やコラボキャンペーン等の企画によっても新しいゲームPVを作成することで、長期ファンの獲得やその時点からの新規プレーヤーの獲得にも効果的でしょう。
経験豊富な制作会社を選ぶ
最後に、信頼できる制作会社を選ぶことも重要です。動画制作会社多くありますが、ゲームPVの制作の経験が多いという制作会社は限られてきます。制作経験が豊富な会社は、企画から公開までの各工程で効果的なアドバイスを提供してくれることに加え、経験をもとにしたスムーズな提案と制作も行なってくれます。制作会社が持つノウハウや技術は、ゲームPVのクオリティに直結するため、慎重に選びましょう。
5.まとめ
ゲームPVは、ゲームの魅力を引き出し、ユーザーに伝える重要な動画コンテンツです。適切な企画や構成、編集を経て、プロモーション効果の高い動画を制作することが重要となります。本記事で紹介した制作工程やポイントを参考に、目的や用途に沿った魅力的なPV制作を目指しましょう。
6.Q&A
Q.ゲームPVにはどんなものがありますか?
A.ゲームPVは「伝えたい内容」や「公開のタイミング」「プロモーション戦略上の位置付け」などによって特徴が分類されます。よくゲームPVで見られる特徴的な2つの例として、視覚的なインパクトを重視し、音楽に合わせテンポ良くゲームの雰囲気やビジュアルを直感的に伝える目的のスタイルや、ナレーションや字幕を効果的に用いてゲームの全体像を順序立ててわかりやすく紹介するスタイルのものが代表的です。その他にも、「ティザートレーラー」や「ローンチトレーラー」といった名称のものもあります。
Q.ゲームPVの制作手順を教えてください。
A.ゲームPV制作の流れは通常の映像制作とは大きく変わらず、以下の工程になります。
- 企画
- 構成・コンテ作成
- 撮影・素材収録
- 動画編集
- MA・NA収録
- 最終チェック・公開
しかし1つの工程ごとにゲームPVならではの要素も存在し、例えば工程3つ目の「撮影・素材収録」では、ゲームのプレイ映像素材を収録する「キャプチャ」などがあり、その方法や設定で特徴が見られます。
Q.ゲームPVを制作する上でのポイントはなんですか?
A.プレイヤー層やゲームジャンルに応じ、アクションゲームなら戦闘シーン、ストーリー重視なら物語要素を中心にするなど、視聴者が引き込まれるように工夫しましょう。また、キャッチコピーやモーション効果で視覚的インパクトを強め、BGMやナレーションで没入感を高めることもゲームPVにおいて重要なポイントです。複数タイプのPVを作成し、ターゲット層ごとに展開することもおすすめです。さらに、経験豊富な制作会社を選ぶことで、質の高いPVが完成します。
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