更新日: プロが教えるMV(ミュージックビデオ)の作り方ガイド!外注する際の企画から公開までの全ステップ
ミュージックビデオ(MV)は、単なるプロモーションツールではなく、楽曲の持つ世界観を視覚化し、アーティストのアイデンティティを確立するための「音楽映像作品」です。昨今、YouTubeをはじめとするプラットフォームにおいて、楽曲とマッチしたMVはアーティストのブレイクをも左右する重要なコンテンツとなります。
本記事では、企画立案から公開、そして外注の判断基準に至るまで、MV作りの全ステップを徹底解説します。
目次
1. MV(ミュージックビデオ)制作の全体像と3つの重要ステップ

MV制作は、一見複雑に思えますが、実は明確なステップに分かれています。この全体像を把握することが、スムーズでクオリティの高いMV制作の第一歩です。
MV制作の流れ:企画・構成 → 撮影・収録 → 編集・仕上げ
MV制作は、大きく分けて以下の3つのフェーズで進行します。
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フェーズ |
役割 |
主な作業内容 |
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ステップ1:企画・構成 |
楽曲の世界観を理解し、映像の「設計図」を作成する |
コンセプト決定、絵コンテ・香盤表作成、機材・ロケ地選定 |
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ステップ2:撮影・収録 |
設計図に基づき、映像と音声を収録する |
効率的な撮影実行、ライティング、音声収録 |
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ステップ3:編集・仕上げ |
収録素材を組み上げ、映像作品として完成させる |
オフライン編集、カット割り、カラーグレーディング、MA(音響調整) |
制作前の準備:制作会社に伝えるべき要望のまとめや参考映像のピックアップ
外注前に、以下の要素を明確にして制作会社に伝える準備をしましょう。ニュアンスの表現などは文面では伝わりにくいため、打ち合わせの時間を設けることをお勧めします。
1. 楽曲の核となるテーマ・メッセージ
- この曲を通じて、最も伝えたい感情やメッセージは何ですか?(例:失恋の悲しみ、未来への希望、社会への皮肉など)
- 曲のテンポ、リズム、歌詞のどの部分を、映像で特に強調したいですか?
- 演奏(歌唱)シーンとイメージシーンの割合希望があれば伝えましょう。
2. 予算と納期
- MV制作にかけられる総予算はいくらですか?(正直に伝えることで、その予算内で最適な作り方を提案してもらえます)
- MVの公開希望日から逆算した、具体的な納品希望日を伝えましょう。
3. 映像表現のトーン&マナー
- 「どんな雰囲気のMVにしたいか?」を具体的に示すための参考映像(リファレンス)を5〜10本ピックアップしましょう。
- 「クールでスタイリッシュな雰囲気」「カラフルでポップな雰囲気」「ストーリー性重視で映画のような雰囲気」など、抽象的なイメージも言語化しておきましょう。
- MVに絶対に入れたい要素(例:特定の場所、衣装、演出)と、絶対に入れたくない要素(例:特定のテーマ、色味)を明確に伝えます。
この準備を徹底することで、制作会社は楽曲に最適なディレクターやカメラマンを選定し、最も効率的でクオリティの高いMV制作のプランを提案できるようになります。
2. ステップ①:企画・構成(設計図の作成)

このフェーズは、家を建てる際の「設計図」に当たります。企画・構成が甘いと、撮影現場で迷いが生じ、結果としてクオリティの低下や予算オーバーにつながります。時間をかけて、細部まで練り上げましょう。
映像表現の方向性決定:3つの主要なMV表現手法
コンセプトシート作成と並行して、映像表現の方向性を固めます。MVの表現手法は多岐にわたりますが、代表的なものは以下の3つです。
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表現手法 |
特徴 |
適した楽曲・ポイント |
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1. ドラマ/ストーリー型 |
歌詞や楽曲の世界観を具体化する物語を描く。視聴者の感情移入を誘いやすい。 |
メッセージ性が強い曲、物語の展開があるバラードなど。登場人物の感情表現、シナリオの起承転結が重要。 |
|
2. パフォーマンス型(リップシンク/演奏) |
アーティストの歌唱・演奏シーンやパフォーマンスを中心に構成する。迫力や臨場感を伝えやすい。 |
ロック、ダンスミュージック、ライブ映えする曲、アーティストの個性を強く出したい場合。カメラワークや照明、カット割りのリズムで魅せる。リップシンクの精度がクオリティを左右する。 |
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3. アート/コンセプチュアル型 |
抽象的なモチーフや風景、CG、アニメーション、斬新な美術セットなどを用い、楽曲の雰囲気を「アート」として表現する手法。 |
実験的な音楽、アンビエント、世界観が複雑なアーティスト。美術や視覚効果(VFX)やアニメーションのクオリティが命。緻密な制作計画が必要。 |
これらを複合的に組み合わせたハイブリッドなMVの作り方が採用されることも多いです。
絵コンテの確認ポイント:イメージを正確に共有する「設計図」
映像表現の方向性が決まったら、それを具体的なカットに落とし込む作業が「絵コンテの作成」です。絵コンテは、MV制作に関わる全スタッフが完成イメージを共有するための「設計図」であり、依頼側にとっては「期待通りの映像になるか」を確認する最重要ドキュメントです。
1. 制作会社へ伝えるべき最重要インプット
絵コンテの作成を依頼する際、ディレクターに以下のインプットを明確に伝えましょう。これが曖昧だと、完成したMVが意図と異なるものになるリスクが高まります。
| 感情のピーク地点 | 楽曲の中で最も感情が高まる場所(サビのどこか、ブリッジなど)を具体的に示し、その場所で「どんな表情・動き」を「どんなアングル」で見せたいかを言語化します。 |
| 歌詞と映像の対比 | 歌詞の内容をストレートに映像化するのか、あるいはあえて逆のイメージ(例:明るい歌詞なのに暗い色味)で表現するのか、意図を伝えます。 |
| 絶対に外せない要素 | アーティストの特定の衣装、象徴的な小道具、特定の場所での撮影など、MVの核となる要素があれば、必ず初期段階で共有します。 |
2. 出来上がった絵コンテのチェックすべき視点
絵コンテが提出されたら、専門的な技術ではなく、楽曲イメージの映像化という観点から、以下をチェックしましょう。
【映像表現のシチュエーションとトーン&マナーの一貫性】
- 映像の舞台となる設定のイメージや場所、スタジオセット、仕上がりのトーン(色味)などがイメージと合っているかを確認します。
- 構図やアングル(アップ、引き、ローアングルなど)が、表現したい感情やムード、希望する見せ方と一致しているか確認します。
この絵コンテ確認のプロセスこそ、制作会社とイメージを共有するチャンスです。疑問点や違和感があれば、この段階で遠慮なくフィードバックを返し、ディレクターと完成イメージを完全に一致させることが、成功するMV制作の作り方です。
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機材とロケーション選定:要望を具体的に伝える発注側の役割
絵コンテで決まったイメージを実現するために、「機材」と「ロケーション(撮影場所)」を選定します。機材の技術的な選定は制作会社に任せつつ、依頼主として「どんな映像が欲しいか」を明確に伝えることが、質の高いMV制作の第一歩となります。
📹 機材に関する要望の伝え方
「映像で何をしたいか」という表現上の要望を具体的に伝えることで、です。
【特殊なカメラワークの要望】
| 空撮が必要な場合 | 「広大な風景を上空からダイナミックに撮りたい」など、ドローンの使用が必要なカットを具体的に要望します。 |
| 動きの激しいシーン | 「アーティストの激しいダンスをブレなく追いたい」など、ジンバルや特殊なスタビライザーの使用を示唆する要望を伝えます。 |
| 超スローモーション | 「水が跳ねる一瞬の美しさを見せたい」など、ハイスピードカメラが必要なカットを伝えます。 |
特殊機材の使用はコストに直結するため、要望と予算のバランスを制作会社と綿密に確認することが重要です。
🗺️ ロケーション(ロケ地)に関する要望の伝え方
ロケーションはMVの世界観を形作る最も重要な要素の一つです。依頼主は、以下の観点から場所の要望を具体的に伝え、制作会社に場所の選定と許可申請を任せましょう。
| 具体的な指定場所(候補地) | もし「思い出の場所」「特定の雰囲気を持つ場所」など、既に撮影したい場所がある場合は、その場所の名称、雰囲気が伝わる写真、撮影したい理由を伝えましょう。 |
| 求める雰囲気・世界観の言語化と画像提供 | 場所が未定の場合でも、「廃墟のような退廃的な雰囲気」「都会の夜景が見えるスタイリッシュな場所」「光が差し込む自然光たっぷりのハウススタジオ」など、求める雰囲気を具体的に言語化し、イメージに近い参考画像を提供します。 |
| 撮影許可・制限の確認 | 公共の場や私有地での撮影には、必ず事前の申請と許可が必要です。プロの制作会社は、撮影許可の取得、占有スペースの確保、近隣住民への配慮までを確実に代行しますので、そのプロセスと費用について確認しましょう。 |
| 天候リスクと代案の確認 | 屋外ロケの場合、雨天時に備えた「予備日」や、屋内での「代替ロケ地(キープ地)」の確保が必要です。これらのリスクヘッジのプランが、制作スケジュールに組み込まれているかを必ず確認しましょう。 |
香盤表の作成
香盤表(こうばんひょう)とは、撮影当日のスケジュールと、誰が、いつ、どこで、何をすべきかを全て記載したタイムテーブルです。これは、プロのMV制作現場における「当日の羅針盤」であり、限られた時間と予算の中で効率的に撮影を終えるために不可欠なものです。
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時間帯 |
場所 |
撮影内容(絵コンテ番号) |
必要な出演者 |
使用機材 |
特記事項 |
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08:00〜09:00 |
屋上A |
準備/照明セッティング |
設営クルー |
照明、カメラ |
日の出直後の柔らかな光を狙う |
|
09:00〜10:30 |
屋上A |
アーティスト・リップシンク |
アーティストA |
カメラA、ジンバル |
カット1〜5(サビ) |
ロケ地の移動時間、食事休憩、出演者のメイク時間なども細かく記載し、遅延を防ぎます。この香盤表の精度が、MV制作のコストを直接左右します。特に以下の2点を確認し、不明な点は質問をして解決し、撮影当日のトラブルや負担を未然に防ぎましょう。
🚨 制作会社から提出された香盤表の確認ポイント
【「時間」の確認:パフォーマンスと負担のバランスをチェック】
- 集合時間: 地方などでの撮影の場合、その時間に合わせて集合ができるのか、メイクや衣装チェンジにかかる時間などが考慮されているかなど確認をしましょう。
- 拘束時間: 集合から解散までのトータルの拘束時間が、アーティスト(ご自身/出演者)の体力的に無理のない範囲かを確認しましょう。
- 移動・待機時間: ロケ地間の移動時間や、撮影に参加しない「待機時間」が長すぎないかチェックし、効率的なスケジュールになっているかを確認します。
【「自分たちが用意するもの」の最終確認】
- 衣装・小道具・美術: 制作会社が準備するものとは別に、自分たちが用意すべき道具や衣装、メイクなどについて、撮影の当日に不足がないようにしっかりと確認しましょう。
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💡 予算を抑えながらクオリティを上げるポイント
| ドローンの代わりに長さのある自撮り棒を活用する | ドローンを使用した映像は印象が一気に変わり、壮大さや普段の画角とは一味違った表現が可能になります。しかし機材費用や免許、許可などにコストがかかる分、挑戦しにくい技法でもあります。そこで1.5m〜3mほどの長さのある自撮り棒を活用し、動きを入れながら撮影することで「ドローン風」のクオリティの高い映像を表現することができます。 |
| ロケ地はあえて地方に | 撮影スタジオの貸し切りや、観光地やテーマパークでの撮影とする場合、特に都内となるとそれだけでも莫大な費用がかかることがあります。そこで、あえて地方自治体で撮影地を探すこともおすすめです。特に県営の公園やテーマパークなどでは価格を抑えやすく、また個人店なども温かく協力的な場合が多いです。 |
| ワンシチュエーション撮影の徹底 | ロケ地移動にかかる費用(交通費、人件費)と時間を大幅に削減できます。シンプルな空間でも、ライティングや美術セットを工夫すれば、全く異なる世界観を演出できます。 |
| 照明機材への投資 | 高価なカメラや特殊機材よりも、高性能なLED照明やライティング機材に予算を割く方が、映像のクオリティを上げやすい場合があります。照明は、ロケーションが単調でも「色」と「影」でムードを作り出せる魔法のツールです。 |
| 既存ロケセットの活用 | 撮影スタジオ、ハウススタジオ、レンタルスペースなど、すでに雰囲気のあるセットが組まれている場所を活用すれば、美術セットの制作コストを削減できます。 |
3. ステップ②:撮影・収録(実行フェーズ)

計画が完了したら、いよいよ実行フェーズである「撮影・収録」です。ステップ1で作成した設計図(絵コンテ、香盤表)に基づき、最高の映像素材を効率的に集めます。
撮影現場での発注側の役割:パフォーマンスへの集中と進行の確認
撮影当日の現場で、発注者が最も注力すべきことは、最高のパフォーマンスに集中することと、ディレクターとの認識のズレがないかを確認することです。
撮影現場で気をつけるべきこと
| ディレクターへの信頼と集中 | 撮影中はディレクター(監督)が全ての指示を出します。制作会社にすべてを任せ、アーティストとして最高のパフォーマンスを発揮することに集中しましょう。現場で細かい指示を出すことは、混乱の原因となります。 |
| 構図とアングルの簡単な確認 | 専門的な知識は不要ですが、休憩時間などにディレクターやカメラマンに「この構図は絵コンテの意図通りか」「楽曲のイメージに合っているか」を簡単に確認しましょう。特に楽曲のメッセージを強調したいカットについては、意図が伝わっているかを確認することが重要です。 |
💡 構図の基本:視聴者を惹きつける「三分割法」と「日の丸構図」
プロの現場でよく使われる基本的な構図を少し知っておくと、ディレクターの意図を理解しやすくなります。
| 三分割法(Rule of Thirds) | 画面を縦横に3分割し、重要な被写体をその線や交点に配置する作り方。洗練された印象を与えます。 |
| 日の丸構図 (Center Composition) |
被写体を中央に配置する作り方。シンプルで、被写体の存在感を強調したいクライマックスなどで使われます。 |
照明と色味の基本:事前確認したトーンの実現をチェック
照明(ライティング)は、MVの世界観や雰囲気を決定づけます。発注側が照明技術を知る必要はありませんが、事前に決めたコンセプトが現場で実現されているかを確認することは重要です。
| 事前に伝えた トーンのチェック |
企画段階で「クールな青系」「温かい暖色系」など、MV全体のトーンを制作会社に伝えているはずです。休憩時間などに、実際に映っている色味がその意図通りになっているかを、ディレクターに確認しましょう。 |
| ライティングの意図理解 | プロの現場では、被写体を立体的に見せるための三点照明など、様々な作り方で照明が組まれます。ディレクターが「このカットは暗い雰囲気で」と言ったとき、単なる暗闇ではなく、「意図的に影を作って感情を表現している」というプロの意図を理解することで、より深いパフォーマンスが引き出せます。 |
【最重要】リスクヘッジと表現力向上を実現する「通し撮影」
MV制作において、アーティストの最高のパフォーマンスを引き出し、編集段階での保険にもなるのが「通し撮影(Run-Through Shooting)」です。通し撮影とは、楽曲の最初から最後まで、カットを止めずに(または可能な限り少ない中断で)歌唱や演奏を撮影することです。アーティストはライブ演奏でこそ、魅力が最大化するものです。断片的な撮影の場合、なかなか楽曲に没頭することができず、最高の表情などが撮影できないこともあるため、通しでの撮影を提案することが多いです。
発注側(出演者)のポイント
| 感情の維持 | ストーリーや楽曲の世界観に入り込み、感情を切らさずにパフォーマンスを継続することが最高の素材を残す鍵です。 |
| 体調管理 | 通し撮影は体力を使います。香盤表で確認した時間を意識し、休憩中は水分補給やストレッチを行うなど、コンディション維持に努めることが、クオリティ向上に直結します。 |
4. ステップ③:編集・仕上げ(魅力を引き出す)

撮影が完了したら、いよいよ映像素材を楽曲に合わせて組み立て、魅力を最大限に引き出す編集・仕上げのフェーズです。このステップで、映像は「素材」から「作品」へと昇華します。
オフライン:楽曲がイメージ通り映像化されているか確認する
編集作業は、まず「オフライン編集」(仮編集)から始まります。この段階で、依頼主は「映像の設計図(絵コンテ)」が正しく組まれているか、そして「楽曲の感情が表現されているか」を確認する最終チェックを行うことができます。ですが、色味などの調整はまだとなるため、完成イメージが沸きにくいこともあり、オフライン状態での試写は省略することも多くあります。オフラインでの確認を求める場合は、その理由とあわせて制作会社と相談しましょう。
🚨 オフライン版で確認できること
【感情とメッセージの正確性】
映像に使われているアーティストの表情や演技が、楽曲の歌詞やメッセージと合致しているか、意図した感情が表現されているかを確認します。もし「もっと悲しい表情のテイクを使ってほしい」などの要望があれば、この段階で具体的に伝えましょう。ズレは視聴者の違和感に直結するため、非常に重要です。
視聴者を飽きさせない「カット割り」と「リズム」の確認
プロの編集者は、視聴者を惹きつける「カット割り」(カットの切り替え)や「リズム」(テンポ感)を駆使して映像を組み立てます。発注者は、技術的な詳細よりも、「楽曲の盛り上がりが映像で増幅され引き立てられているか」をチェックしましょう。
楽曲のピークと映像の同期をチェック
- サビやクライマックスなど、楽曲が最も盛り上がる部分で、映像もカットの切り替えが速くなる、カメラワークがダイナミックになるなど、視覚的な興奮が高まっているかを確認します。
- 楽曲のビートに合わせて映像が切り替わる「ビートシンク」が効果的に使われているか、違和感がないかを確認します。
クオリティを高める最終調整:カラーグレーディングの最終確認
「カラーグレーディング」は、MVの最終的な世界観、雰囲気、感情を決定づけるアート性の高い作業です。納品直前に行われるため、楽曲イメージとの最終的なズレがないかを確認する重要なステップです。
カラーグレーディングの確認ポイント
| コンセプトカラーの反映 |
企画段階で決めた「映画のような重厚なトーン」「ポップで鮮やかなトーン」「ノスタルジックなセピア調」など、MVのコンセプトカラーやトーンが、提出された映像全体に一貫して反映されているかを確認します。 |
| アーティストの肌色の確認 |
カラーグレーディングによって、アーティスト(出演者)の肌色が意図せず不自然な色味になっていないかなど、印象が悪くなるようなカラー演出が無いかを確認しましょう。 |
このカラーグレーディングのチェックをもって、MV制作はほぼ完了となります。最終的な納品形式(ファイル形式や解像度)を確認し、楽曲の魅力を最大限に引き出したMVの公開を迎えましょう。
5. 完成・公開とプロモーション

MV制作の最終目的は、作品を多くの人に視聴してもらうことです。公開戦略も企画・構成の一部として捉えましょう。
各プラットフォーム(YouTube, SNS)に合わせた公開戦略
YouTube
- 高画質:4K解像度、高フレームレート(60fps)対応など、最高の画質設定でアップロードします。
- サムネイル:MVの最も印象的な一瞬を切り抜き、キャッチーな文字入れを行うなど、クリック率(CTR)を高める工夫が必須です。
- 概要欄:歌詞、SNSリンク、購入リンクなどを整理し、ファンが次の行動に移りやすいように設計します。
SNS(Instagram, TikTok, Xなど)
- MV本編ではなく、プロモーション用の「ティーザー(予告編)」や「縦型ショート動画」を配信します。
- 縦型に最適化:MV本編の素材を切り出し、縦型(9:16)に再編集し、最初の3秒で興味を引くように工夫します。これは、現代のユーザーの視聴傾向に合わせたMV作りの新しい形です。
6. 「自作」と「外注」の判断基準とプロに頼むメリット
MV制作は、スマホでもできる時代になりました。しかし、クオリティと結果を追求するなら、プロへの外注は不可欠です。
自作がおすすめなケース vs 外注すべきケース
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判断基準 |
自作がおすすめなケース |
外注すべきケース |
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予算 |
5万円以下、費用をかけずに作りたい |
30万円以上、予算をかけて本格的な作品にしたい |
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目的 |
趣味、ファンへのちょっとしたサプライズ、制作過程を楽しみたい |
集客、プロモーション、メジャーデビューを目指したい |
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求めるクオリティ |
映像の失敗を気にしない、簡易的なMV作りで十分 |
YouTubeで他のプロのMVに並ぶクオリティ、高い訴求力 |
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時間 |
納期に余裕がある、MV制作のプロセスを楽しめる |
〇〇までに公開したい、本業が忙しい |
「楽曲のクオリティに見合った映像が欲しい」「再生回数を増やしたい」という明確な目的があるなら、迷わずプロに任せるべきです。
制作を自作で行う場合の大きな壁とリスク
MV制作の全プロセスを見て、「自分たちでできるのでは?」と考える方もいるかもしれません。しかし、プロが徹底する各ステップを自作で行う場合、以下の大きな壁に直面するリスクがあります。これらの壁こそ、プロへ発注する決定的な理由です。
| 時間とリソースの制約 |
膨大な時間: 企画、ロケ地交渉、撮影、編集、CG処理、音響調整といった全工程をプロレベルで行うには、膨大な時間がかかります。アーティスト活動や本業の傍らでこれらをこなすのは非現実的です。 |
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機材と技術の限界: 高品質なMVに必要な高性能なカメラ、照明、特殊機材を揃えるにはコストがかかる上、それらを使いこなす技術やライティングの知識も必要です。その限界が、そのまま映像のクオリティの限界になります。 |
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| 許可取得と法的な煩雑さ |
公共の場所や商業施設などで撮影する場合、撮影許可の申請は非常に煩雑です。プロが行うような事前の交渉や警察への届け出などを個人で行うのは難しく、無許可撮影はトラブルの原因になります。 |
自作の可能性:Vlog風MVという選択肢
低予算で自作でMVを制作したい場合、Vlog(ビデオブログ)風のカジュアルなMVというスタイルであれば、技術的な壁を下げることができます。 豪華なセットや特殊なライティングは不要で、日常の風景やシンプルなアングルを中心に構成します。この場合、「編集による楽曲とのリズム感の同期」と「アーティストの自然な魅力」を最大限に引き出すことに注力しましょう。
しかし、その場合もMVのクオリティは「アーティストの日常を切り取った映像」という範囲に限定されるため、プロが手がけるような、楽曲の世界観を深く、広く表現する作品を目指すのであれば、やはり外注が最も確実な作り方となります。
7. まとめ

本記事では、制作会社の視点からMV制作の全ステップを解説しました。MV制作の成功は、「企画・構成」という設計図をいかに緻密に作成できるかにかかっています。MV作りは、単なる映像の記録ではなく、楽曲の世界観を拡張し、ファンと深いつながりを作るための「投資」です。自作でのMV制作には限界があり、視聴者に「プロの作品だ」と感じさせるクオリティを追求するなら、企画力・技術力に優れたプロの制作会社への外注が最も確実で賢明な選択となります。
キックファクトリーでは豊富な制作経験をもとに、楽曲が持つ無限の可能性を、最高の映像作品へと変えるお手伝いをいたします。また予算が限られている場合でも、幅広いご提案が可能です。MV作りについてご不明な点があれば、ぜひ一度、お気軽にご相談ください。
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