動画撮影に必要なライティング技術とは?商品や人物撮影の照明について。

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動画撮影では、カメラの性能や構図などに加えて、ライティングの工夫も重要なポイントです。光を上手にコントロールすることで、被写体の魅力をさらに際立たせることができます。今回は、動画の質が格段に変わるライティング技術について解説します。

1.ライティングの役割

ライティングとは、ライト(照明)を使って撮影に光をプラスし、動画全体の明るさを調節することです。しかしライティングは、単に明るさを調節するだけではなく、ほかにもさまざまな役割を持ちます。ここでは、ライティングの主な役割を4つ解説します。

画質を上げる

ライティングを用いることで、動画の画質の向上に役立ちます。その理由は、カメラのISO感度を高画質に設定できるからです。ISO感度とは、写真の明るさを調整する要素の一つです。カメラは、被写体の明るさによって必要になるISO感度が変わります。たとえば、屋外や日中の室内など明るい環境は感度が低くなり、夜や暗い室内の環境は感度が高くなります。この感度が高くなると、撮影した動画にノイズが発生し、画質を下げてしまう原因になりかねません。そこでライティングが重要となります。被写体を明るくすることで、カメラのISO感度を低くした状態での撮影が可能になります。その結果、ノイズが入りにくくなるため、キレイな画質を保ちながら動画撮影ができるということです。

立体感や雰囲気を表現

立体感や雰囲気を表現する際も、ライティングが役立ちます。動画は画面を通して2次元で見えますが、現実の世界は3次元で構成されています。2次元の世界で3次元の立体的な雰囲気を表現するには、影を作ることが重要です。この影を作る際に、ライティングを取り入れます。光を当てることで影が生まれて輪郭が際立ち、立体的に見せることが可能になります。また、光を当てる角度によっても被写体の印象が大きく変わります。動画撮影のコンセプトに合わせて角度を工夫することで、被写体の雰囲気を効果的にコントロールすることも可能です。

色彩をコントロールする

ライティングは、色彩を効果的にコントロールする際にも効果を発揮します。光には、赤っぽい色や青っぽい色などの種類があります。たとえば蛍光灯は青みがかった色で、白熱電球は赤みがかった印象です。レストランやスーパーの食品コーナーなどでは、白熱電球などの赤やオレンジがかった温かい印象の光が使われており、おいしそうな印象を演出しています。反対に蛍光灯で照明を当てた場合、食べ物が青っぽく見えてしまうため、食べ物の撮影には向きません。ライティングの色味によっても、同じ被写体でまったく違った印象を与えることが可能です。

出演者の表情や商品の細部をはっきり写す

ライティングには、人物の表情や商品の細部を鮮明に映す効果もあります。ライティングを用いずに撮影すると、出演者の顔に影が入ってしまったり、顔色が悪く映ってしまったりと、表情が伝わりにくくなります。出演者の表情が明るく映ると、動画全体の印象が格段にアップするでしょう。明るい印象を与えることで動画の訴求力向上につながり、企業や商品などのイメージアップにも効果的です。動画撮影する際は、室内にもとから設置されている照明だけでは、不十分であることが多いです。既存の照明にライティングをプラスすることで、ワンランク上の動画に仕上がります。

2.基本の3点照明

ライティングの基本となる3点照明について理解しておく必要があります。三点照明では、メインライト(キーライト)・フィルインライト・アクセントライト(バックライト)の3つの照明を効果的に使い分けることが大切です。ここからは、それぞれのライトの意味と役割を解説していきます。

メインライト/キーライト

メインライトとは、被写体を照らすメインの光源のことで、大きなライトを使用するのが一般的です。メインライトは、被写体に対して斜め45度上の位置にセットするのが基本の使い方です。どちらの方向から当てるかは、特別な理由がなければ、被写体を主に目立たせたい方向から当てると良いでしょう。不気味な印象を演出したい場合は、下から照らすというテクニックもあります。このメインライトを軸にして、補助になるライトを組み合わせることにより、さまざまなシーンに対応できます。

フィルインライト

フィルインライトは、メインライトに対して補助的に用いる光源のことです。フィルインライトには、フロントライトとスカイライトの2種類があります。フロントライトは、被写体を前方から照らすライトです。メインライトだけではコントラストが強すぎる場合や、被写体の影を弱める際に役立ちます。一方、スカイライトは被写体を上から照らすライトです。メインライトのコントラストを和らげ、自然光が上から降り注ぐようなグラデーションを演出できます。このように、フィルインライトを用いることで、メインライトで被写体にできる影を薄くしたり、強くしたりなどのコントロールが可能です。なお、フィルインライトは補助的な役割を持つライトであるため、メインライトよりも控えめな光にすることが基本です。

アクセントライト/バックライト

アクセントライトとは、被写体の後方に配置するライトのことです。被写体と背景の境界線を強調し、奥行きを演出する効果があります。アクセントライトを設置する際には、メインライトと同じ角度から当てるのが基本です。たとえば黒の背景で黒髪の人物を撮影すると、黒い背景に溶け込んでしまって区別がつかないため、のっぺりとした雰囲気になってしまいます。このときにアクセントライトを当てることで、髪の毛や肩の線がはっきりし、立体感や質感が向上させることが可能です。アクセントライトが強いほど劇的・演出的な雰囲気が出ます。反対に弱いと自然な雰囲気を演出できるため、動画のテーマに合わせて使い分けましょう。

3.商品を動画で撮影するときのライティング

被写体の種類によって、ライティング方法が異なります。ここでは、商品のPR動画として撮影する際のライティングのコツを解説します。

商品撮影時の照明のポイント

商品の動画撮影では、明るく清潔感があり、信用や信頼を得られるような映像を心がけましょう。とくにライトを当てる角度と光源(LEDライト・蛍光灯・白熱電球など)は大切な要素です。
基本的に照明の角度は、真正面から当てないようにします。物の質感が消えてのっぺりとした立体感のない印象になりやすく、商品の特徴をしっかり伝えられないからです。また、商品によって適切な光源を選ぶことも大切です。光源が大きいほど影は小さくソフトに、小さいほど影は大きくハードな印象になるため、商品に合わせて光源を調整してください。とくに狭い場所で撮影する場合は、光がさまざまなところに反射することを考慮する必要があります。光が反射する場合は、レフ板やディフューザーなどのツールを用いて調整します。どのような雰囲気を表現したいかに合わせて、光源を選択・調整するようにしましょう。

ディフューザーで光量調整

ディフューザーとは、照明器具の明かりを柔らかくする役割を持つアイテムです。被写体に光を当てる際に、ダイレクトに光を当ててしまうと光が強くなりすぎてしまい、商品の質感などを効果的に表現することが難しくなります。そこで光を柔らかくしたり、均一に広げたりできるディフューザーを使うことで、被写体の質感を損なうことなく自然な光を作り出すことが可能です。
ディフューザーは市販のアイテムはもちろん、トレーシングペーパーやレースカーテンなどで代用することもできます。さらに光を柔らかくしたい場合は、光源を天井や壁に向けて光を照らし、その反射光で部屋全体を明るくして撮影する方法もあります。なお、ディフューザーの大きさと光源は比例するため、適切な大きさの物を選ぶことも大切です。

レフ板で全体を明るく

レフ板とは、照明や太陽光を反射させるツールです。レフ板に光を反射させて、意図的に影を作り出したり、光量を調整したりする際に役立ちます。一般的なレフ板は、シルバーの面と白色の面があり、シルバーは硬い光を反射させ、白色は柔らかい光を反射させてくれます。たとえば被写体が硬く面積が大きい商品の場合は、反射率の高いシルバーの面を使い、ライティングで届かない部分の光を補いましょう。とくに光量の少ない曇天時や暗所で撮影する際に効果を発揮します。反対に被写体が柔らかい質感の場合は、白の面を使うと効果的です。なお、レフ板は市販のものに加えて、白い紙やアルミホイルなどでも代用可能です。

黒締めで輪郭をハッキリと

黒締めとは、撮影する際に生じる白飛びを防ぐテクニックの一つです。主に白色の商品やボトルなどを撮影する際に用いられます。商品の側面に黒色の紙や板などを置き、黒色を写り込ませることで被写体と背景の間に影が入り、被写体を立体的に見せる効果があります。また、強調したい部分に黒締めを用いると、商品の輪郭をハッキリさせることも可能です。

4.人物を動画で撮影するときのライティング

ポートレートのような人物の撮影では、商品撮影とは異なるライティング技術が求められます。ここからは、人物のケースでのライティングのコツと、代表的な手法を解説していきます。

人物撮影時の照明のポイント

人物撮影では、どこから光が入ってきているのか見極めることが重要です。基本的に撮影する場所には、複数の光があります。室内であれば、室内灯と窓から入る自然光の2つが存在します。複数の光があることで互いに干渉してしまい、ライティングの難易度が一気に上がってしまうでしょう。まずは被写体に余計な光が入らないようにして、それからライティングを調整することが基本の流れです。また、光の反射の有無で被写体への光の当たり方が大きく変わり、色味が変化することも知っておく必要があります。光を反射させると柔らかい印象に仕上がりますが、光を反射させる面の色によって、その色味が被写体にプラスされることがあります。反射させる際は、場所にも注意しましょう。

レンブラントライティング

レンブラントライティングとは、ライトを設置した反対側の頬に小さな三角形の光を作る手法で、伝統的でクラシカルな手法でもあります。海外の映画やスタジオ撮影でもよく使用され、ドラマチックなライティングが特徴です。レンブラントライティングに必要な機材はメインライトとレフ板のみで、人物の顔に対して45度の角度でライトを一つ当てるだけで完成します。

バタフライライティング

バタフライライティングとは、被写体の正面斜め上から光を当てる手法です。鼻の下に蝶々のような影ができることから、バタフライライティングと呼ばれています。シルエットが際立つため、被写体の美しさを強調したいときに最適な手法です。

ループライティング

ループライティングとは、目の位置より30〜45度程度の上方から光を当てる手法です。鼻の影が斜め下に向かってループ状に出ることから名付けられました。全体にハイライト部分が増えるため、明るくカジュアルな雰囲気に仕上がります。

スプリットライティング

スプリットライティングとは、被写体の真横にメインライトを当てる手法です。光で照らされる面積が半分程度であるため、顔痩せ効果などを狙えますが、そのままでは極端に硬い仕上がりになるため、フィルインライトやレフ板を入れることもあります。アンニュイで落ち着いた雰囲気に仕上がるため、シリアスな動画撮影で用いると効果的です。

5.ライティングにこだわれば撮影のクオリティは上がる!

ライティングにこだわることで、動画のクオリティは格段にアップし、オリジナリティも高められます。今回解説した基礎知識とポイントを押さえながら、光を効果的に操り、印象的な動画に仕上げてください。なお、ライティングの技術は動画撮影よりも難しい場合が多く、初心者の場合は狙ったような効果は狙えないこともあります。必要に応じて、スタジオや専門の技術会社への依頼も検討してみましょう。

6.Q&A

Q.3点照明とは何ですか?

A.もっとも明るい光量で被写体を照らす「メインライト」、補助的に光を調節する「フィルインライト」、被写体の境界線を強調して際立たせる「アクセントライト」の3つで構成される照明のことです。

Q.ライティングはなぜ必要ですか?

A.ライティングは被写体の魅力を最大限に引き出すために欠かせない技術です。ライティングを用いずに撮影した場合、暗い印象に見えたり、被写体の細部が伝わりづらかったりする可能性があります。

Q.室内で撮影する際に気をつけることは何ですか?

A.のっぺりとした印象にならないように正面から照明を当てないようにすることです。撮影したい雰囲気に合わせて、横や斜め、後ろから光を当てるようにしましょう。

Q.光にはどんな種類がありますか?

A.撮影で利用する光は、大きく分けて自然光と人工光の種類があります。自然光は太陽光のことで、ナチュラルな仕上がりが特徴です。人工光は照明機材を用いて作り出した光のことで、自然光のように天候や時間帯に左右されないという特徴があります。

Q.動画撮影の代行を依頼した場合の相場はいくらぐらいですか?

A.撮影のみの場合、一般的な相場は10万円〜30万円前後です。内訳は撮影機材費、撮影スタッフの人件費などですが用意する機材の量やスタッフ数などにより大きく変わります。詳しくは内容を伝えたうえで制作会社やスタジオなどに相談してみましょう。

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