コラムColumn

  1. TOP
  2. Column
  3. 初めての企業動画制作|担当者が知るべ...

更新日: 初めての企業動画制作|担当者が知るべき企画から公開までの流れと準備リスト

「企業のマーケティングにおいて、動画活用の重要性が高まっている」
「競合他社もプロモーションに動画を使い始めた」

このような背景から、ある日突然あなたが会社の動画制作担当者に任命される、というケースは少なくありません。「何から手をつければいいかわからない」「外注と内製、どちらがいいのだろう?」といった、動画制作で担当者が抱える不安や疑問は尽きないものです。

この記事は、動画制作の心臓部である企画から、撮影、編集、そして公開に至るまでの全工程を、「プロに任せる外注」と「自社で完結させる内製」の2つのパターンに分けて徹底解説します。動画制作の全体像を明確にし、自信を持ってプロジェクトの第一歩を踏み出せるようにしましょう。

 

▼関連記事▼
企業紹介PR動画の作り方のコツやポイントを紹介

 

1.すべてはここから!動画制作を始める前の3つの最重要決定事項

本格的な動画制作のステップに入る前に、プロジェクトの成否を分ける最も重要な準備段階があります。これは外注・内製を問わず、必ず最初に固めておくべき「土台」の部分です。この土台が曖昧なままでは、どんなに優れた技術があっても、成果の出ない動画になってしまいます。

① 目的の明確化:何のために動画を作るのか?

まず、「なぜ、この動画制作を行うのか?」という目的を明確に言語化しましょう。目的が具体的であるほど、動画の方向性が定まり、関係者間の意思疎通もスムーズになります。

  • 認知拡大:新商品の存在を、まずは広く知ってもらいたい。
  • 商品理解の促進:Webサイトだけでは伝わりにくい、サービスの具体的な使い方やメリットを伝えたい。
  • ブランディング:企業の技術力や開発にかける想いを伝え、ファンを増やしたい。
  • 採用応募者の増加:社風や働く社員の魅力を伝え、エントリー数を増やしたい。
  • コンバージョン獲得:動画から直接、問い合わせや資料請求につなげたい。

② ターゲットの具体化:誰に動画を届けたいのか?

次に、その動画を「誰に」見てほしいのかを具体的に設定します。ターゲットの年齢、役職、抱えている悩みなどを深く掘り下げることで、心に響くメッセージや表現方法が見えてきます。

  • 潜在顧客:まだ自社の商品やサービスを知らない、課題を抱えた企業の担当者。
  • 既存顧客:既に取引のあるお客様に、新機能やアップセルの提案をしたい。
  • 求職者:自社に興味を持っている、20代の若手エンジニア候補。
  • 株主・投資家:企業の将来性やビジョンを伝え、信頼関係を深めたい。

③ 予算と納期の決定

最後に、この動画制作にかけられる費用と、いつまでに動画が必要なのかを決定します。予算によって、選べる制作会社や実現できるクオリティが変わってきます。また、納期から逆算してスケジュールを立てることで、無理のないプロジェクト進行が可能になります。特に初めての動画制作では、想定外の確認作業などで時間がかかることもあるため、余裕を持った納期設定が重要です。

2.プロに任せる「外注」の場合の動画制作の流れ(7ステップ)

専門知識や機材、リソースがなくてもハイクオリティな動画を実現できるのが外注の魅力です。ここでは、制作会社と二人三脚で進める場合の担当者の役割と動画制作の流れを解説します。

ステップ1:制作会社のリサーチ・選定

まずは、自社の目的や予算に合った制作会社を探します。各社のWebサイトで制作実績(ポートフォリオ)を確認し、「自分たちが作りたい動画のイメージに近いか」「得意なジャンルは何か」をチェックしましょう。数社に候補を絞り込むのがポイントです。

ステップ2:問い合わせ・ヒアリング(初回打ち合わせ)

候補の会社に問い合わせ、打ち合わせを設定します。この段階で、前述した「目的・ターゲット・予算・納期」を具体的に伝えましょう。担当者の対応や理解度、提案力などを見極め、信頼できるパートナーとなり得るかを判断する重要なフェーズです。

ステップ3:企画・構成案・絵コンテの提案とすり合わせ

ヒアリング内容に基づき、制作会社から企画・構成案が提案されます。動画全体のストーリーやメッセージ、表現方法などがここで固まります。さらに、映像の具体的なイメージを共有するために「絵コンテ」が作成されることもあります。提案内容に不明点や違和感があれば、この段階で納得がいくまで徹底的にすり合わせを行いましょう。この工程が、動画制作のクオリティを大きく左右します。

ステップ4:撮影準備・撮影当日

企画が固まったら、撮影に向けた準備に入ります。ロケーション選定、キャスティング、香盤表(撮影スケジュール)の作成などは制作会社が主導しますが、担当者としては、撮影に必要な商品や資料の準備、社内関係者への協力依頼などを行います。撮影当日は、企画通りの映像が撮れているかを確認するため、可能な限り立ち会うことをお勧めします。

ステップ5:編集・初稿試写・修正依頼

撮影した素材を元に、編集作業が始まります。カット割り、テロップ挿入、CG作成などが行われ、初稿(最初の完成版)が提出されます。担当者はこの初稿を試写し、企画意図とズレがないか、メッセージは的確に伝わるかなどをチェックします。修正点があれば、具体的に指示を出します。修正回数には制限がある場合が多いため、社内の関係者にも確認してもらい、修正依頼は一度にまとめて伝えるのが効率的です。

ステップ6:ナレーション・BGM入れ(MA作業)

映像の修正が完了したら、ナレーション収録やBGM、効果音などを加えるMA(Multi Audio)という作業に入ります。BGMやナレーターの声のトーン一つで動画の印象は大きく変わるため、制作会社の提案を聞きながら、最適なものを選んでいきます。この最終的な音の調整が、動画制作の完成度をさらに高めます。

ステップ7:最終確認・納品

全ての作業が完了した最終版をチェックし、問題がなければ納品となります。納品形式(MP4など)やデータ受け渡し方法を確認し、プロジェクトは完了です。

3.自社で完結させる「内製」の場合の動画制作の流れ(6ステップ)

コストを抑えられ、スピーディーな制作が可能なのが内製の魅力です。社内リソースで動画制作を行う場合の具体的な作業工程を解説します。

ステップ1:チーム編成と役割分担

まずは、動画制作プロジェクトのチームを編成します。企画担当、撮影担当、編集担当など、それぞれの役割を明確に分担することが成功の鍵です。一人ですべてを担うことも可能ですが、客観的な視点を保つためにも、複数人でのチーム編成が望ましいでしょう。

ステップ2:企画立案・シナリオ(台本)・コンテ作成

チームで「目的・ターゲット」を再確認し、具体的な企画を練り上げます。伝えたいメッセージやストーリーを決め、それを元にシナリオ(台本)、映像のイメージとなるコンテを作成します。ナレーションの原稿や、誰が何を話すかといったセリフ、必要な映像カットなどを具体的に書き出すことで、後の撮影・編集が格段にスムーズになります。

 

▼こちらの記事で絵コンテのテンプレートを配布しています▼
【無料テンプレート配布】「絵コンテ」とは?動画制作における役割と書き方を分かりやすく解説

 

ステップ3:機材準備・ロケーション選定

撮影に必要な機材を準備します。カメラ、三脚、マイク、照明など、動画のクオリティを左右する機材は慎重に選びましょう。最近ではスマートフォンでも高品質な撮影が可能ですが、音声にこだわるなら外部マイクの使用を強く推奨します。併せて、撮影場所(ロケーション)の選定と使用許可の確認も行います。

ステップ4:撮影

作成したシナリオや絵コンテ(簡単なイラストでOK)を元に、撮影を進めます。手ブレを防ぐために三脚を使い、クリアな音声を録るためにマイクの位置に気を配るなど、基本的なポイントを押さえるだけでクオリティは大きく向上します。後で編集しやすいように、各カットは少し長めに撮影しておくと安心です。

ステップ5:編集(カット、テロップ、BGM挿入)

撮影した映像素材を編集ソフトに取り込み、編集作業を行います。不要な部分をカットし、必要なシーンを繋ぎ合わせ、テロップ(字幕)やBGMを挿入していきます。テロップは視聴者の理解を助け、BGMは動画全体の雰囲気を決定づける重要な要素です。この編集工程が、動画制作において最もクリエイティブな部分と言えるかもしれません。

ステップ6:社内レビュー・修正・書き出し

編集が完了したら、チームや上司など、社内の関係者にレビューを依頼します。客観的なフィードバックをもとに修正を行い、完成度を高めていきます。全員の承認が得られたら、最終的な動画ファイルとして書き出し(エクスポート)を行い、動画制作は完了です。

4.これさえあれば安心!動画制作を成功に導く「準備リスト」

初めての動画制作でも、このリストに沿って準備を進めれば、担当者としてやるべきことを見失うことはありません。ぜひご活用ください。

【企画段階】の共通チェックリスト

  • 動画制作の目的は明確になっているか?(認知拡大、採用強化など)
  • 動画を見せたいターゲット像は具体的に描けているか?
  • 動画を通して最も伝えたいコアメッセージは一つに絞れているか?
  • 予算の上限と希望納期は決まっているか?
  • 参考にする動画のイメージ(競合他社や好きな動画など)はあるか?
  • 動画の公開場所(Webサイト、SNS、展示会など)は決まっているか?

【外注する場合】の追加チェックリスト

  • 3社以上の制作会社から相見積もりを取ったか?
  • 各社の制作実績や得意分野は、自社の目的と合っているか?
  • 担当者とのコミュニケーションはスムーズか?
  • 契約内容(修正回数、二次利用の可否、著作権の帰属など)は十分に確認したか?
  • 制作の進行管理(スケジュール)は明確に提示されているか?

【内製する場合】の追加チェックリスト

  • 必要な機材(カメラ、マイク、照明、編集ソフト)は揃っているか?
  • チームメンバーのスキルやリソース(時間)は十分か?
  • BGMや画像、フォントなどの素材の著作権はクリアしているか?(商用利用可能か)
  • 動画の品質をチェックするレビュー体制は整っているか?
  • 完成した動画の保管・管理ルールは決まっているか?

5.まとめ

ここまで、動画制作の全体像を、外注と内製の2つの流れに分けて解説してきました。多くのステップがあり、難しく感じられたかもしれませんが、最も重要なのは「事前の準備」、特に「目的・ターゲット」を明確にすることです。ここさえブレなければ、たとえ初めての動画制作であっても、大きく道を踏み外すことはありません。

プロのクオリティと客観的な視点を求めるなら「外注」、コストを抑えつつスピーディーに進めたいなら「内製」と、それぞれにメリットがあります。自社の状況や今回の動画制作の目的に合わせて、最適な方法を選ぶことが成功への近道です。

この流れと準備リストが、あなたの会社にとって価値ある動画制作を実現するための一助となれば幸いです。ぜひ、自信を持ってその第一歩を踏み出してください。

 

▼関連記事▼
【社内担当者必見】動画制作は内製と外注どちらが正解?使い分け基準と注意点

 

6.Q&A

Q1. 動画制作で最も重要な工程はどこですか?

A1. すべての工程が重要ですが、特に「企画」が最も重要です。記事冒頭の「3つの最重要決定事項」で解説した通り、動画の「目的」と「ターゲット」が明確でなければ、どんなに映像が美しくても成果にはつながりません。この土台をしっかり固めることが、プロジェクト成功の最大の鍵となります。

Q2. 外注する制作会社は、どのように選べば良いですか?

A2. まずは制作実績を確認し、自社が作りたい動画のテイストやジャンルと合っているかを見極めましょう。特に、自社と同じ業界での制作実績があれば、スムーズな意思疎通が期待できます。また、問い合わせや打ち合わせの際の担当者のコミュニケーション能力や提案力も重要な判断基準です。信頼できるパートナーを選びましょう。

Q3. 動画の最適な長さはどれくらいですか?

A3. 目的と公開場所によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。

  • WebサイトやSNSでのプロモーション動画:視聴者の集中力が続きやすい1分〜2分程度が理想です。
  • 製品・サービスの詳細説明動画:機能などをしっかり伝えきるため、3分〜5分程度になることもあります。
  • 採用説明会や社内研修動画:特定の目的を持った視聴者が見るため、10分以上になることも珍しくありません。

Q4. 内製する場合、一番の注意点は何ですか?

A4. 著作権の管理です。BGMや写真、イラスト、フォントなどの素材をインターネットから安易に使用すると、著作権侵害になる可能性があります。必ず商用利用が許可されている素材サイトを利用するか、オリジナルで制作するようにしてください。機材や編集スキルも重要ですが、法的なリスクを避けることが大前提となります。

Q5. 外注で制作した動画の権利はどうなりますか?

A5. 契約内容によって異なります。一般的には、制作費を支払うことで完成した動画の「使用権」は発注者側に渡りますが、元データを含む「著作権」は制作会社が保持するケースが多いです。Webサイトで公開するだけでなく、展示会で流したり、営業資料として改変したりといった「二次利用」を考えている場合は、契約時にその範囲を必ず確認しましょう。

CONTACTお問い合わせ

まずはお気軽にご相談ください。
弊社サービスに関するお問い合わせ・お見積もり依頼は、お電話または
お問い合わせフォームより受け付けております。

TEL:03-3406-7021

御社名

氏名必須

フリガナ必須

電話番号

Email必須

お問い合わせ内容必須

Back

RANKING

NEW

コラムカテゴリー