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更新日: VR動画の制作方法は?コツを押さえて新しい映像体験を!

VR動画は、時間や場所に制限されることなく、リアルに近い体験を得られることから人気が高まっています。またビジネスにおいても活用が進んでいる技術です。VR動画の制作方法について、必要な機材や制作の注意点などを解説します。

1.VR動画とは

まずはVR動画の基礎知識を解説していきます。またVRには種類があり、混同されやすいものもあるため、それぞれの違いもあわせて押さえておきましょう。

VRとは何か

まず「VR」とはバーチャルリアリティの略で、「仮想現実」を意味します。専用のヘッドセットを装着することで仮想空間の中にアクセスし、目の前にあるディスプレイに映し出された仮想現実世界に入り込んだように錯覚させたものがVR技術です。たとえばレーシングカーに乗ってほかのプレイヤーと競い合うゲームの場合、実際にマシンを操作しているような臨場感やスピード感を味わえるでしょう。実際には視覚的に錯覚させて臨場感を体感しているだけですが、通常の動画コンテンツとは一味違ったクリエイティブを創り出せるというメリットがあります。
また娯楽だけではなく、ビジネスや社会課題の解決への活用も期待されています。たとえば医療業界では、医療者の教育段階でVRを活用することで、現実には難しい実地訓練を簡単に何度もおこなうことが可能です。不動産業界では、物件探しの内見の際にVRが活用されているケースもあります。このように、VR動画はさまざまな業界で応用が効くコンテンツであり、今後ますます需要が高まっていくことが予想されます。

VR動画の特徴

VR動画の特徴の一つは、専用のVRゴーグルを使うことです。VR映像はVRゴーグルを外して視聴すると、ただの歪んだ映像ですが、専用のゴーグルを通すことで、動画を立体的に感じられます。もう一つの特徴は、360度見渡せることです。自身の周辺を360度見渡せるため、体験できる没入感が格段に違います。なお、360度見渡せる通常の動画もありますが、VR動画はゴーグルを装着することによって現実世界と仮想空間を遮断し、よりバーチャルな空間を堪能できます。

VR180°と360°VR動画の違い

平面の動画を360度表示して再生するVR360に対して、立体感を再現できるVR180°も存在します。VR180°とは、GoogleとYouTubeが共同で手がけた新しいVRフォーマットです。その名の通り、見たままの景色を180°の視野で視聴することが可能です。平面を立体で見られる「立体視」を応用した技術で、通常の映像よりも臨場感を得られるという特徴があります。専用のVRゴーグルでの視聴が推奨されていますが、スマートフォンでも視聴可能です。VR360°と比べると、データが小さいため再生しやすく、撮影も処理(ステッチ)も簡単です。手軽に3D立体視・ステレオのVR動画を撮影できる点が大きな魅力です。またVR360°の場合、撮影したデータを360度全方位に引き延ばすため、解像度の低下が目立ちがちです。一方VR180°はその半分の視界で済みます。つまりデータがVR360°と同容量、同解像度であれば、よりVR180°のほうが高画質化しやすいというメリットもあります。

2.VR動画制作に必要な機材

VR動画を制作するには、通常の動画制作とは異なる機材が必要です。必要な機材と、それぞれの使い方を解説します。

VR専用カメラ

VR映像を制作するには、VR専用カメラが必要となります。VR専用カメラには、「全天球タイプ」または「半球タイプ」の2種類があります。
全天球タイプは前後2か所に超広角レンズを搭載し、カメラの周囲すべての方向を撮影できます。初心者でも簡単に撮影ができ、少ない編集で済む点がメリットです。デメリットは、カメラが高額になることです。しかし全天球タイプ1台だけでVR映像に使用できるため、VR入門にはうってつけといえます。
一方、半球タイプは、カメラの上部に1枚の超広角レンズが搭載されているカメラで、全天球カメラのおよそ半分の視野角で撮影ができます。全天球カメラよりも価格が安く、天体撮影のように円形に映像を映すような撮影に向いている点が特徴です。しかし半球カメラ一つではVR映像にできないため、2つの半球カメラの映像を編集してつなぎ合わせる必要があります。そのため、一定の編集技術を要することから上級者向けのカメラといえます。なお、VR専用カメラは、知名度や扱いやすさから「GoPro(ゴープロ)」や「RICOH THETA(リコー・シータ)」が人気です。

VRに対応した動画編集ソフト

撮影した動画をVR動画にするには、「スティッチング」という作業が必要です。さまざまな角度から撮った動画を合成してつなぎ合わせる作業で、専用の編集ソフトでおこないます。VR動画編集ソフトは、無料で手軽に利用できるものから、有料で本格的な編集ができるものまで、さまざまものがリリースされています。
VRの動画編集を手軽に体験したい場合は、スマホアプリの利用がおすすめです。ただし無料の編集ソフトは必要な編集機能が備わっていなかったり、スティッチングの精度が低かったりと、クオリティが下がりやすくなるといったデメリットがあります。パソコンで本格的な動画編集をしたい場合は、「Adobe Premiere Pro」「Final Cut Pro X」などのポピュラーな編集ソフトを利用しましょう。明るさの調整やブレの補正など、視聴者がよりのめり込めるような修正もできるため、より質の高いVR動画制作が可能です。

VRゴーグル

VRゴーグルはVR映像の視聴に最適化されたヘッドセットで、頭の動きに連動して映像の方向が変わるのが特徴です。ゴーグルがなくても映像自体は見られますが、VR動画の完成度をチェックするためには欠かせない機材です。実際のリアリティ具合を体感し、違和感や改善点がないか確認するためにも、できる限り準備しておいたほうが良いでしょう。

3.VR動画の制作方法

必要な機材をそろえたら、制作の流れを確認しましょう。ここからは、VR動画の制作方法を解説します。

動画の企画や構成を考える

映像の見せ方にこだわることは重要ですが、実はもっとも時間を割くべき重要な工程が、企画や構成です。どのような目的でVR動画を制作したいのか、どのようなストーリーを伝えたいのか、ターゲットとなる視聴者層はどの世代なのか、といったことを考えます。VR動画は視聴者に視界を委ねてしまうことから、目的がはっきりしていないと注意が分散してしまうリスクがあるからです。またVR動画は360度すべてが見回せるため、それだけ動画内の情報量が多くなることも念頭に置いておく必要があります。360度が見回せる中で、いかにユーザーが内容を直感的に理解し、リアルな体験を提供できるかをじっくり考えましょう。
企画や構成がまとまってきたら、ストーリーボードや絵コンテを作成し映像やBGM、テキストなどの必要な素材を準備します。企画を綿密に練ることで、視聴者の好奇心をくすぐり、VRの世界に深く引き込める完成度の高い動画を制作できるでしょう。

撮影

企画がまとまったら、専用のカメラ(全天球または半天球)で撮影します。全天球タイプを使用すれば、1回の撮影で全方向の映像を録画可能なため手間がかかりません。ただし、スタッフや小道具など、不要な情報が映らないように注意しましょう。さらにクオリティを高めるなら、複数台のカメラを使用することで、より臨場感のあるパノラマ映像も撮影できます。VR動画制作に慣れてきたら、複数台のカメラ使用を検討することもおすすめです。
半天球カメラの場合、360度動画を制作するためには複数の映像を組み合わせる作業が必要です。その場合は、制作会社と一緒に制作を進めることをおすすめします。制作会社に相談すれば、どちらのカメラが適しているのか、内容に合っているかを提案してくれるはずです。内製で撮影、制作をする場合は、初心者でも使いやすい全天球タイプが使い勝手が良いでしょう。

撮影した動画の編集

撮影が終わったら、編集ソフトでスティッチングや色調などの調整作業をおこないます。さまざまなアングルから撮影した動画を、タイミングや明るさ、音声などを調整していきましょう。スティッチングの完成度は、動画の質に大きな影響を与えるため、丁寧に仕上げていく必要があります。不自然なステッチや、シーンの切り替えがあると、コンテンツに違和感が生じ、没入感も削がれてしまうでしょう。なお、スティッチングには膨大な工数を要するケースが多いため、自社で制作する場合はある程度の技術を持ったスタッフの確保が必要です。最近では、自動でスティッチングを施してくれるカメラもありますが、不自然な部分が発生する可能性もあるため手作業で修正をするケースも多々あります。そのため、VR動画を制作する際はプロに依頼することを念頭に置いた予算設定をしておいた方が安心です。

4.VR動画制作の注意点

VR動画の制作段階で、いくつか注意したいポイントがあります。より完成度を高めるためにも、紹介するポイントを意識してみましょう。

全天球カメラか半天球カメラか

VR専用カメラには、全天球カメラまたは半天球カメラの2種類があります。全天球カメラは水平・垂直全方向の風景を視界へ収めることが可能です。足元や機材まで映り込んでしまうリスクがある反面、没入感の高い映像を作れるといったメリットがあります。またレンズとレンズの間のつなぎ目に当たる部分が自動で調整されるため、編集の手間が省略できるだけでなく、自然な雰囲気を出せる点も魅力です。そして1台で360度まんべんなく撮影できるため、初心者でも扱いやすいでしょう。
一方半天球カメラの場合は、水平方向と垂直上方向の風景が視界へ収まります。足元が写り込まないメリットがある反面、撮影範囲が限定されてしまう点がデメリットです。半天球カメラはある程度の編集スキルも必要なため、初心者には向きません。動画編集に慣れている人以外は、基本的に全天球カメラを選んだほうが良いでしょう。制作会社に依頼する場合はどちらが良いかも含め相談しましょう。

ステッチワークを踏まえた構成にする

VR動画の編集では、ステッチワークが欠かせません。このステッチワークが多くなればなるほど、それだけ編集の手間がかかることを意味します。たとえばカメラを多く使った場合、解像度は高くなるため、映像のクオリティは格段に高くなります。しかしその分だけ、映像のつなぎ目(ステッチ)が増えてしまい、違和感なく見せるための編集作業に膨大な時間がかかるケースが多いです。そのため、企画の段階でステッチワークを考慮しながら構成を練ることが重要です。VR動画の編集に慣れていない場合は、複数のカメラをまたいで撮影したり、カメラのつなぎ目にかかる部分で重要な演出を入れたりするなどは避けたほうが良いでしょう。

カメラを動かしすぎたり、傾けたりしない

VR動画を撮影する際は、カメラをなるべく固定して撮影しましょう。カメラを動かしすぎると、VR酔いの原因になり、視聴者が離脱してしまう原因になるからです。カメラを動かす場合は、なるべくゆっくり動かすことを意識します。また、カメラの角度はなるべく平行に保ちましょう。VRヘッドセットをつけて視聴する際に、撮影時の視点が斜めだと違和感が生じるからです。視聴者が快適に没入できる空間を演出するためにも、上記の2点を意識してみましょう。

5.VR動画で新しい映像体験を

VR動画はエンターテインメントとして楽しむだけでなく、企業のPR動画や不動産、医療などさまざまな分野で活用されてきています。VR動画の制作を検討している場合は、今回解説した必要な機材や制作の流れをぜひ参考にしてみてください。

6.Q&A

Q.VR動画の制作を企業に依頼する場合、費用はいくらぐらいですか?

A.コンテンツの内容や使用する機材によっても異なりますが、およそ20万円〜数百万円と幅広いです。とくにVR撮影は制約が大きく編集にも技量が求められるため、一般的な動画と比べて費用は高めです。

Q.VR動画を内製する場合はいくら費用がかかりますか?

A.内製する場合は、カメラ機材や編集PCなど初期費用が必要です。そういった初期機材費で、20万円~必要となり、撮影、編集には担当スタッフを用意することになります。ある程度の撮影・編集スキルをお持ちの方がおすすめです。初心者が他の業務との兼務となるとなかなか難しい作業となります。

Q.VR動画撮影におすすめのカメラは何ですか?

A.「RICOH THETA」「Insta360」「GoPro」「Gear360」などが人気で、初心者でも使いやすいためおすすめです。最新機種も続々と登場していますので購入前に調べてみてください。(2023年8月現在)

Q.VR動画を制作会社に依頼する際の選び方は?

A.以下の3つを基準に選んでみましょう。

  • 制作会社の強みを確認
  • VR動画の制作実績を確認
  • 見積もりを依頼

制作会社によって、CG、アニメ、実写など得意分野が異なります。とくにVR動画は通常の映像制作では無いため、得意としている制作会社を選ぶことが必要です。また、イメージしているVR動画と合致しそうな制作実績があるかどうかもチェックしておきましょう。VR動画の内容によっても価格が大きく変動するため、いくつかの会社から見積もりを取って比較してみることも重要です。

Q.VR動画を見るためにはどうすればいいですか?

A.VRゴーグルどが必要です。メガネをかけたままでも装着できるゴーグルや、ピント調節機能があるモデルを選べば、近眼や乱視の方でもクリアな映像を楽しめます。

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